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R.ケリー提供曲は「もう歌えない」 セリーナ・ジョンソン、ジョーらが宣言

R. Kelly

全米トップ10ヒットとなったカニエ・ウェストの“All Falls Down”への参加でも知られる、実力派女性ソウル・シンガーのセリーナ・ジョンソン(Syleena Johnson)が、キャリア初期にR.ケリー(R. Kelly)から提供された“I Am Your Woman”について、もう歌うことができないと心境を語っている。

20年以上に渡って絶えずヒットを飛ばし続け、アルバム・セールスは累計5000万枚以上を誇る「R&B界の帝王」R.ケリーだが、現在、若い女性たちを“洗脳”し、支配下に置いて共同生活を送る「セックス・カルト」報道をきっかけに厳しい批判にさらされている。R.ケリーに対するボイコット運動 #MuteRKelly はこの1年で勢いを増し、特に今年1月3日から5日にかけてアメリカで放送されたドキュメンタリー『Surviving R. Kelly』以降、業界全体で「反R.ケリー」の姿勢に。この流れに追随する形で、チャンス・ザ・ラッパー(Chance the Rapper)やセリーヌ・ディオン(Celine Dion)、レディー・ガガ(Lady Gaga)、ジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)、シアラ(Ciara)、プッシーキャット・ドールズ(Pussycat Dolls)といった人気アーティストたちも続々と、R.ケリーとの過去のコラボレーションや提供曲を音楽ストリーミング・サービスやダウンロード販売サイトから削除している。

大御所ブルース/ソウル・シンガーの父シル・ジョンソンの娘としても知られるセリーナ・ジョンソン(シリーナとも)もまた、彼女のキャリア初期のヒット曲であり、彼女のベスト・アルバムのタイトルにも起用されるなど代表曲でもある“I Am Your Woman”をもう歌わないと決めたという。R.ケリーが提供、プロデュースした楽曲だからだ。当時所属していたJive RecordsのレーベルメイトだったR.ケリーは、同じシカゴ出身という共通項もあり、セリーナがJive在籍中は何度か彼女をプロデュース。2001年のメジャー・デビュー作『Chapter 1: Love, Pain & Forgiveness』に収録された“I Am Your Woman”、続く2002年作『Chapter 2: The Voice』のリード曲“Guess What”、2005年作『Chapter 3: The Flesh』のリード曲“Hypnotic”などを手がけている。

しかし中でも、“I Am Your Woman”については二度と歌うことができないと、彼女はAP通信に対し明かした。R.ケリーは性的同意年齢に満たない少女たちにも手を出してきたと報じられているが、“I Am Your Woman”の歌詞が、まるで少女の目線からR.ケリーへの想いを歌ったようなものであることに気づいたからだ。歌詞には、<16歳の誕生日から付き合ってきた><あなたは昔、私のことをダディのゲトークイーンって呼んでいたけど、今でもあなたは私のすべて>(※daddyには恋人、特に年上の男性を指す意味もある)といった表現がある。

「レコーディングした時には、今報じられているようなことを私は知らなかった」というセリーナは、「報道を見て、涙が出てきた。だってずっと私が歌ってきたことだったんだもの。これまで私は、『私たちは16歳で、ずっと一緒に育ってきて、関係を築いてきた』というような歌詞だと考えていた。でも、今こうしてみると全然そんな意味じゃない。どうして“I Am Your Woman”をまた歌うことができるでしょう? 考えただけでも泣けてくる」とコメント。また、<コーナーストア(コンビニ)に駆け込むみたいにあなたの元へ走っていく>という歌詞についても、「誰がコーナーストアに駆け込んでいく? 子供たちよ」と触れた上で、「誰かが苦しんでいたのに、それを褒めたたえるような歌詞をずっと歌ってきた。そのことを考え、受け止めることは苦しい。だからこのことは話したい話題じゃなかった。辛いの。何年もやってきたことを、無かったことにはできないのだから」と、被害者女性を苦しめるような歌詞を長年歌ってきたことを受け止めきれない想いであることを明かした。

そしてこの「フラストレーション。怒り。混乱」を、セリーナ・ジョンソンは新曲“Woman”に綴った。同名のニュー・アルバム『Woman』からの1stシングルとなるこの曲は、女性が置かれている状況、「今なお女性を軽視する事例が目に余るほどある」ことについての想いを歌にしており、『Surviving R. Kelly』の放送後に書き始め、できる限り早く世に出したいとして1月31日に配信リリースされている。

R.ケリーからの提供曲を歌わないと判断したのは、セリーナ・ジョンソンだけではない。世界でトータル1000万枚以上を売り上げた人気R&Bシンガーのジョー(Joe Thomas)もまた、そのひとりだ。ジョーはAP通信にプレスリリースを送り、その中で、2003年に提供された“More & More”について「ライブで歌うことは止めました」と発表。「被害者の感情や痛みに対する配慮よりも優先される音楽や知的財産はありません」と断言した。

なおR.ケリーは、『Surviving R. Kelly』放送から2週間後に、長年所属していたJive Records/RCA Recordsとの契約が終了。米Billboard誌の報道によると、ニュー・アルバムがすでに完成しており、すぐにでもリリースしようと動いているという。RCAとの契約期間にレコーディング済の音源だが、RCA側はR.ケリーとの契約を終了させるため、和解条項にこの未発表の音源の権利をR.ケリー側に譲る旨もあったとされている。しかし、R.ケリー側は『Surviving R. Kelly』の放送前からRCA以外のディストリビューターを探していたものの、うまくいかなかったという情報もあり、現在の状況を鑑みれば、すぐにリリースされる可能性は薄そうだ。

R.ケリーは今週頭、海外ツアーを行うとTwitterで発表したものの、すぐにこのツイートを削除。オーストラリア、ニュージーランド、スリランカでのツアーを予定していたものの、オーストラリアの議員シェイン・ヌーマンがR.ケリーの入国に対して「深刻な懸念」を表明したとされている。