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2018年の米音楽ストリーミング、およそ3割をヒップホップ/R&Bが占める

Drake - Scorpion

音楽セールスなどの実態を調査し報告するニールセン・ミュージックが、アメリカにおける2018年の年間レポートを発表。「ヒップホップ/R&B」ジャンルの人気がさらに拡大していることが明らかになった。

アメリカにおける音楽消費動向では、2017年の上半期に史上初めて、「R&B/ヒップホップ」がもっとも人気のあったジャンルに。R&B/ヒップホップ作品の総合ユニット(1ユニット=アルバム1枚の売り上げ相当)は前年の上半期に比べて17%上昇しており、ヒップホップ/R&B作品は音楽消費の全体の25.1%を占め、これまで1位だったロックを2位(23%)に押し下げた。

この傾向はますます拡大しており、2017年の年間においても「R&B/ヒップホップ」は音楽消費の全体の24.5%を占め、「ロック」(20.8%)を2位に抑えてジャンル1位に。さらに、2018年の上半期では、ヒップホップ/R&B作品は音楽消費の全体の31%を占めるまでに。そしてこのほど発表された2018年の年間レポートによると、2018年の年間ユニット総数は、前年と比べて23%増(前年およそ5億1000万ユニット⇒6億1800万ユニット)と市場はさらに成長傾向にあり、そのうちヒップホップ/R&B作品が占める割合は25.6%となり、2017年に続いてジャンル1位に。2017年はヒップホップ/R&Bが占める割合は全体の24.5%だったことから、2018年はさらにヒップホップ/R&Bが伸びたことが分かる。

実際2018年は、カナダのスター・ラッパー、ドレイク(Drake)だけで、年間53週のうち半年以上となる29週にもわたって全米シングル総合チャートの首位を独占。またラッパーによる首位獲得は、チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)の“This Is America”(2週連続1位)、ポスト・マローン(Post Malone)の“Psycho”(1週1位)、エクスエクスエクステンタシオン(XXXTentacion)の“SAD!”(1週1位)、カーディ・B (Cardi B)の“I Like It”(1週1位)、トラヴィス・スコット(Travis Scott)の“SICKO MODE”(1週1位)とあり、年間53週のうち35週ものあいだ、ラッパーたちが全米1位を占めた。加えてラッパーがゲスト参加したポップ・ソングによる1位(カミラ・カベロ+ヤング・サグの“Havana”、マルーン5+カーディ・Bの“Girls Like You”)を加えると、年間53週のうち実に43週にわたってラッパーが関わった楽曲が全米チャートの首位に君臨したことになる。

ニールセンによる年間チャートにおいても、年間アルバム成績のトップ10作品のうち実に7作がラッパーによるアルバムで、さらにグラミー受賞ラッパーのケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)指揮による、映画『ブラック・パンサー』のサウンドトラック的作品『Black Panther: The Album』を加えて、年間トップ10のうち8作がヒップホップ作品に該当する。無論、年間1位となったのはドレイクの『Scorpion』で、アルバム・セールスは年間で33万枚程度ながら、ストリーミングだけでおよそ329万3000ユニットを記録しており、累計で年間およそ390万5000ユニットとなっている。累計で年間300万ユニットを超えたのは、他にポスト・マローンの『beerbongs & bentleys』(年間およそ325万1000ユニット/ストリーミングで年間およそ264万3000ユニット)のみとなる。2017年の年間1位となったエド・シーラン『÷』は累計で年間およそ276万4000ユニットだった。

興味深いのは、年間3位となった映画『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック(累計で年間およそ249万9000ユニット)が、2018年で唯一のミリオンセラーとなるおよそ149万1000枚も売り上げたのを除けば、トップ10作品はいずれも実売セールスは50万枚以下というところ。いずれもストリーミングによって成績を伸ばしており、改めて音楽ストリーミング・サービスが現在のチャートに対して支配的であることが窺える。ニールセンによれば、CD、デジタル・ダウンロード、レコードなどの実売セールスは前年比17.7%ダウンとさらに大きく落ち込んでおり、一方で、音声型のオンデマンド・ストリーミングは前年比49%増映像型のオンデマンド・ストリーミングも前年比30%増とストリーミングの勢いは顕著だ。

そしてこのストリーミングに強いのがヒップホップだ。2018年アメリカにおいてストリーミング・サービスでもっとも再生されたのは、全米シングル総合チャートで初登場から11週連続1位となったドレイクの“God’s Plan”(およそ15億6571万回)で、ドレイクは“In My Feelings”が年間3位(およそ11憶53万回)、“Nice For What”が年間8位(およそ8憶4440万回)でドレイクが圧倒的な強さを見せるが、年間9位のエド・シーラン“Perfect”を除いて、トップ10中9曲が全てラッパーによる楽曲で占められている。ニールセンによれば、2018年はオンデマンド・ストリーミング全体の29.7%をヒップホップ/R&B楽曲が占め、ジャンル2位のロックによる14.2%に大差を付けたとのこと。ストリーミング人気が続くかぎり、ヒップホップの天下も続くことになりそうだ。

なお、このニールセン・ミュージックによる米年間レポートは、2017年12月29日から2019年1月3日までの53週間が対象となっている。

2018年 米年間アルバム トップ10(総合) (total units)
1. Drake 『Scorpion』 (total: 3,905,000)
(sales: 330,000) (TEA: 282,000) (SEA: 3,293,000)
2. Post Malone 『beerbongs & bentleys』 (total: 3,251,000)
(sales: 374,000) (TEA: 234,000) (SEA: 2,643,000)
3. ost 『The Greatest Showman』 (total: 2,499,000)
(sales: 1,491,000) (TEA: 187,000) (SEA: 821,000)
4. Cardi B 『Invasion Of Privacy』 (total: 2,060,000)
(sales: 222,000) (TEA: 184,000) (SEA: 1,654,000)
5. Travis Scott 『ASTROWORLD』 (total: 1,985,000)
(sales: 464,000) (TEA: 49,000) (SEA: 1,471,000)
6. XXXTentacion 『?』 (total: 1,637,000)
(sales: 94,000) (TEA: 82,000) (SEA: 1,461,000)
7. Migos 『Culture II』 (total: 1,599,000)
(sales: 115,000) (TEA: 90,000) (SEA: 1,393,000)
8. Ed Sheeran 『÷』 (total: 1,481,000)
(sales: 367,000) (TEA: 212,000) (SEA: 902,000)
9. ost 『Black Panther: The Album』 (total: 1,459,000)
(sales: 709,000) (TEA: 197,000) (SEA: 1,120,000)
10. Post Malone 『Stoney』 (total: 1,388,000)
(sales: 95,000) (TEA: 84,000) (SEA: 1,209,000)
*TEA: Track equivalent albums / SEA: Streaming equivalent albums

2018年 米年間楽曲ストリーミング再生総数トップ10 (streams – on demand audio & video combined)
1. Drake “God’s Plan(1,565,711,000)
2. Juice WRLD – “Lucid Dreams (1,107,289,000)
3. Drake – “In My Feelings” (1,100,534,000)
4. XXXTentacion – “SAD!” (1,026,294,000)
5. Post Malone ft. Ty Dolla $ign – “Psycho” (924,496,000)
6. Post Malone ft. 21 Savage – “rockstar (905,440,000)
7. Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – “I Like It” (873,494,000)
8. Drake – “Nice For What” (844,403,000)
9. Ed Sheeran – “Perfect” (797,274,000)
10. BlocBoy JB ft. Drake – “Look Alive” (766,073,000)