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ルーペ、新作のインスピレーション源はジェイムズ・ボールドウィン

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新世代ヒップホップ・アーティストのひとりとして注目を集めるシカゴの人気ラッパー、ルーペ・フィアスコ(Lupe Fiasco)が9月25日(日本盤は10月10日)に新作を発表するが、その新作“Food and Liquor II: The Great American Rap Album”は、米文学史上最も重要な人物のひとりでもあり、黒人公民権運動の活動家としても知られる作家ジェイムズ・ボールドウィン(James Boldwin)などからインスピレーションを受けて作られたという。

かつてのプリンス(Prince)の“The Black Album”のように、何の文字要素もない真っ黒のジャケット・アートワークでも話題を呼んでいるこの新作だが、そのリリースを控えて米Rolling Stone誌の取材を受けたルーペは、この新作のインスピレーション源についてジェイムズ・ボールドウィンや、歴史家のハワード・ジン(Howard Zinn)の名を挙げた。「ボールドウィンはすっかり注目されなくなったし、今や会話にすら出てこなくなった。だからまた彼の話題が出るようにしたかったんだ。あれほどパワフルな存在もいないからね。同性愛者であり、無神論者であり、黒人であり、作家であり……説教師でもあった。そういった要素は彼を社会の凶悪な敵にしたが、同時に世間から敬愛される人でもあった。彼は、俺にとって他の誰よりもインパクトを与えた存在だった。意見が二極化するような人だが、そういう人だからこそ、彼の感覚というものは普遍的だったんだ。常識はシンプルであらなければならない、という観念に挑戦を試みた人だ」とボールドウィンを評した。

ボールドウィンの数々のスピーチにも触発されたというルーペは、新作のイントロで、ボールドウィンを追った1963年制作のドキュメンタリー“Take This Hammer”からの引用があることも明かしている。また、ハワード・ジンが広島と長崎の被爆65周年記念のために書いた『爆撃』や、そのジンの代表作『民衆のアメリカ史』を元にした、スティーヴン・ピムペア『民衆が語る貧困大国アメリカ』などもインスピレーション源として挙げており、ルーペの社会派たる所以がたっぷり詰まった内容になりそうだ。

さらにルーペは、これに続く作品として“Food & Liquor II: The Great American Rap Album Pt. II”と、“Skulls”のふたつのタイトルを発表。この2作のリリースをもって現在所属しているAtlantic Recordsとの契約が満了となり、「音楽ビジネスはひどく骨の折れる仕事。もう10数年以上やってきたからそろそろ他のことをやる時期じゃないかな。この契約が終わり次第、独立した場所に身を置いて、やりたいことができる自由が欲しいね」などと、以前から口にしている早期のラッパー引退をほのめかすコメントもしている。(t)