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注目すべき西海岸のアーティスト集団ブロックハンプトンが待望のメジャー・デビュー作を発表

BROCKHAMPTON - iridescence

一部報道では1500万ドル=16億円の価値があるともされる大型契約でメジャー・レーベルのRCA Recordsとの契約が発表された西海岸の人種混合ヒップホップ~R&B集団ブロックハンプトン(BROCKHAMPTON)が、待望のメジャー・デビュー・アルバム『iridescence』を21日に発表した。

ブロックハンプトンは、ケヴィン・アブストラクト(Kevin Abstract)を中心に、複数のボーカル、DJ/プロデューサー、ミュージシャン、さらにはデザイナーらで構成されているクリエイティヴ集団。ソロでも活躍できる複数の才能を抱え、西海岸のユース・カルチャーが反映された世界観とコメディ・テイストの映像、若さ溢れるエナジーと、一方で時に成熟したメロウなサウンドを聞かせる点などが、タイラー・ザ・クリエイターやフランク・オーシャンらを擁したオッド・フューチャーあたりとも比較される存在で、ケヴィン・アブストラクトがオープンリー・ゲイであることも共通する点だ。

「ブロックハンプトンはありがちなラップ・コレクティヴではない」の謳い文句と共に2015年から活動を本格的にスタートさせたブロックハンプトンは、特に昨年、6月に『SATURATION』、8月に『SATURATION II』、12月に『SATURATION III』と連続リリースして大きな注目を集めた。『SATURATION』からはメロウ・チューン“FACE”がジャイルス・ピーターソン主宰の〈Worldwide Awards〉でトラック・オブ・ザ・イヤー候補になったほか、特に『SATURATION II』は高い評価を受け、Stereogumの年間ベストで11位に選ばれたのを始め、Highsnobietyで年間14位、New York Daily Newsで年間25位、Consequence of Soundで年間34位に。さらにOkayplayerも「今年(2017年)もっとも見過ごされたアルバム」で8位に選ぶなど話題に。また『SATURATION III』は米R&B/ヒップホップ・アルバム・チャートで初登場5位を記録した。

こうした活躍により、今年3月には、3年間でアルバム6枚という形でRCA Recordsとのメジャー契約を獲得。一部では1500万ドル=およそ16億円の価値があるとも報じられるほどのビッグディールで大きな話題となった。しかし、当初は6月に『Puppy』というアルバムでメジャー・デビューを予定していたものの、ボーカルのひとりであるアミーア・ヴァン(Ameer Vann)が元恋人たちから性的暴行等で訴えられた影響で、『Puppy』は発売延期に。最終的に2018年5月、アミーア・ヴァンが性的暴行は否定しつつも、精神的、言葉によるDVは認めた形で、グループを脱退。決定していたいくつかの音楽フェスティバル出演などもキャンセルされた。

心機一転して今年6月にはTV番組に出演して活動を再開。ジャズミン・サリヴァン(Jazmine Sullivan)、サーペントウィズフィート(serpentwithfeet)らをコーラスに迎える形で当時未発表だった新曲“Tonya”を披露し、『The Best Years Of Our Lives』というタイトルのメジャー・デビュー作が控えていると告知した。翌月からは、Apple Musicのインターネット・ラジオ「Beats 1」で自分たちの番組をスタートさせ、矢継ぎ早に“1999 Wildfire”、“1998 Truman”、“1997 Diana”と新曲を連続リリースしていく。そして先月末に「ブロックハンプトンの4作目のスタジオ・アルバムは今年9月にリリース予定」と予告されたのに続き、今月中旬になって、『iridescence』というタイトルに変更されたことが明かされ、9月21日発売になることが確定。予定通りリリースされた。

大半をロンドンの名門スタジオ[Abbey Road Studios]でレコーディングされたという『iridescence』は、全15曲を収録。先行して発表されていた“1999 Wildfire”、“1998 Truman”、“1997 Diana”の3曲はいずれも未収録に終わっている。

アルバムは、ロミル・ヘンナーニ(Romil Hemnani)を中心に、ジョーバことラッセル・ボーリング(Russell “Joba” Boring)、ケヴィン・アブストラクトベアフェイス(bearface)、ジャバーリ・マンワ(Jabari Manwa)、キコ・マーリー(Kiko Merley)といったブロックハンプトンの面々が全曲をプロデュース。アメリカを始め各国で上映された彼らのドキュメンタリー映像によれば、RCAとの契約により彼らはさらに制作上の自由を得、自分たちの思い描くとおりの作品を作ることができたようだ。TV番組で先行披露されていた“Tonya”にはサーペントウィズフィートがゲスト参加しているほか、オープニングを飾る“New Orleans”にはジェイデン・スミス(Jaden Smith)も声を交えている。

一部では早くもブロックハンプトンの最高傑作と称賛されている一方、 昨年の『SATURATION』シリーズとは違った方向性に戸惑う向きも出ているが、美しいストリングス、ドラムンベース、ブレイクビーツがトラップ・ヒップホップと融合する“Weight”など、ブロックハンプトンのさらなる才能を感じさせる力作に仕上がったと言える作品だ。

1. NEW ORLEANS (feat. Jaden Smith)
2. THUG LIFE
3. BERLIN
4. SOMETHING ABOUT HIM
5. WHERE THE CASH AT
6. WEIGHT
7. DISTRICT
8. LOOPHOLE
9. TAPE
10. J’OUVERT
11. HONEY
12. VIVID
13. SAN MARCOS
14. TONYA (feat. Serpentwithfeet)
15. FABRIC