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ロバート・グラスパーがローリン・ヒルを痛烈批判 「盗作をしている」

The Miseducation of Lauryn Hill

ジャズの枠を超えて活躍し、2012年作『Black Radio』がグラミー賞の最優秀R&Bアルバムに輝いたロバート・グラスパー・エクスペリメント(Robert Glasper Experiment)での活躍で知られるピアニスト/プロデューサーのロバート・グラスパーが、インタビューの中でローリン・ヒル(Lauryn Hill)のアーティストとしての姿勢を厳しく糾弾し、波紋を呼んでいる。

これは、ヒューストンのラジオ番組『The Madd Hatta Morning Show』の中でロバート・グラスパーが語ったもの。2005年、26歳の時に、ジャズ・アーティストとしては5年ぶりの新人として名門Blue Note Recordsと契約したグラスパーは、インタビューの中で自身のキャリアを振り返り、「2005年が、俺のキャリアが変わった時だった。やりたくない仕事をやらなくて済むようになったんだ。レコーディング契約を手にして、自分の活動に専念できるようになったからね」と述べ、困らされたアーティストが「2~3人」いたとコメント。そこでホストが「ぜひ名前を知りたいね」と言ったところ、ロバート・グラスパーは「教えてあげよう。ローリン・ヒルだ」と回答し、ローリン・ヒルについて語り出した。

ロバート・グラスパーによると、彼はまず2006年頃に一度、ローリン・ヒルから電話を受け、ツアー・バンドへ誘われたという。しかし、すでにBlue Noteの契約アーティストとして各国を飛び回っており、しかもオーディションを受けて欲しいという要請だったために「オーディションはやらないんです。僕が欲しいなら、僕のアルバムを聴いて下さい」と回答。それでも電話越しに演奏を聞かせてくれないか、と要求されたが、アルバムを聴いてくれと答え、誘いを断ったとか。

その2年後、2008年頃に、今度はローリン・ヒルが「モンブラン」ブランドのためにニューヨークで行う20分のショウのバンド・メンバーへと誘われる。この時は、友人がバンドのミュージカル・ディレクターを務めていたこともあり、参加することに。しかし、これがグラスパーの怒りを買う結果となる。

「俺たちは、1週間、毎日10時間はリハーサルやったんだ。彼女は毎日やってきては、ショウの内容を全く違うものに変えていったから。自分がやりたいように変えていくんだ。そしてリハーサルの最終日、彼女は姿を見せなかった。代わりに彼女のマネージャーがやってきて、『ローリンは、君たちの演奏に納得がいっていない。だからギャラは半額にする』って言われたんだよ。リハーサル最終日、ショウの前日のことだよ。そもそもギャラだって十分な額じゃなかったのに。自分はこの仕事で50万ドルもらうくせにね」とグラスパーは当時を振り返った。演奏に問題があると感じたか、と訊かれると、「いや、全く。スーパーバンドだったし」と答え、「バンドはよかったよ。彼女は最高のミュージシャンを雇ってたんだから」と説明。そして、「彼女は、バンドをクビにするのが好きなんだ。パッと浮かんだだけで15人の(クビにされたミュージシャンの)名前を暗唱できるよ」と、ローリンの“悪癖”を明かした。

この問題のリハーサル最終日の後、憤慨したロバート・グラスパーは、すでにBlue Noteの契約アーティストとして活動し金銭的に困っていたわけでもなかったこともあり、「その時ちょうど牛肉のパティを食べてたんだ。忘れもしないよ。だから『これを食べ終わったら家に帰るよ』って言ったんだ」と、一度はショウへ出演しないと心に決めたという。しかし、「バンドには俺が必要だった。公演は翌日だから」という状況もあり、歩き去ったグラスパーをマネージャーが走って引き留めたとか。その際、「信頼できないから、4時までに俺の口座に金を振り込んでくれ。俺に出演してほしいなら、30分以内に送金するんだ」と先払いを要求し、最終的に翌日、出演したという。

この10年前のトラブルを振り返った後、ロバート・グラスパーの言葉はさらに厳しくなっていく。当時、友人のMDから「ひとこと言っておくと、彼女の目を見ちゃいけない。そして彼女のことはミズ・ヒル(Ms. Hill)と呼ぶんだ」という厳格な“ルール”を教えられたことを明かした後、今度はローリン・ヒルが20年前の1998年8月に発表したソロ・デビュー・アルバムにして名作『The Miseducation Of Lauryn Hill』で「盗作をしている」と糾弾し始めた。

ロバート・グラスパーは、「俺の友人たちの音楽を盗んだんだ」、「『Miseducation』は、俺も個人的に知っている素晴らしいミュージシャンやプロデューサーたちによって生まれたんだ。自分で書いてもいない音楽で絶賛されてるんだよ」、「彼女は、名作を生んだことで得られた称賛を自分の手柄にした。でもその楽曲は彼女以外の人たちによって書かれ、実際に書いた人たちはその功績を認められず、クレジットされていない。だから彼女はスターになったんだ。本当にあれだけ才能があるんだったら、もう一度やってみろってことだよ」とコメント。この発言に対し、「ローリン・ヒルがライブではアレンジを変えてパフォーマンスしている理由はそこにあるのか?」という質問に「そのとおり!」と回答もしている。さらに、「彼女はリハーサルの間、ギターのチューニングすらしなかった。俺の友人のベンジーにチューニングさせてたよ。リハーサルにやってきたらこう言うんだ、『ベンジー、ギター』って。そしたらベンジーが走り寄ってチューニングしてたよ」といったエピソードも暴露している。

あまりの発言に、司会が止めようとする瞬間もある中、ローリン・ヒルへの不満を爆発させたロバート・グラスパー。途中、「これを彼女が耳にするかもしれないこと分かってるよね?」と確認された際も、「100%理解しているよ。別に気にしないさ。だって俺の言っていることにひとつも嘘はないから」と、堂々と答えている。

一方でロバート・グラスパーは、ローリン・ヒルとのリハーサルの間に一度だけ、楽しかった思い出があるとコメント。“Doo Wop (That Thing)”を演奏するというタイミングであえて、ローリン・ヒルが『天使にラブソングを2』でも歌った“Joyful, Joyful”のイントロを弾いてみたという。 「彼女は俺を見た後、“Joyful, Joyful”を1番まで歌ったんだ。1分半ほどのことだったけど……」と振り返り、その時は通じ合うものを感じられたとか。

そして最後に、「人は変わることができる。俺もいつまでも彼女に文句を言う気はない。でも、事実としてこういうことがあって、彼女は責任を取る必要があるってこと。人は変わることができる。彼女にも変わってほしい。彼女は多くの人に対して敬意を欠いてきたから。たくさんのミュージシャンとその家族にね」と締め括っている。

なお今月末にも自身が率いるスーパーグループ、R+R=NOW (RプラスR・イークアルズ・ナウ)として来日予定のロバート・グラスパーだが、今年10月にはニューヨークのブルーノートで1ヵ月公演を開催。24日間に渡って公演は行われ、クリス・デイヴ、デリック・ホッジとのトリオ公演を皮切りに、R+R=NOWの公演や、マイルス・デイヴィスやマルグリュー・ミラーのトリビュート公演なども予定されている。