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若きソウルマン、リオン・ブリッジズがモダン・テイストを取り入れた3年ぶり新作を発表 [全曲フル試聴可]

Leon Bridges - Good Thing

2015年のデビュー作『Coming Home』が20代ながらサム・クックやオーティス・レディングを彷彿とさせるソウルマンぶりで話題を呼び、グラミー賞候補にもなったリオン・ブリッジズ(Leon Bridges)が、およそ3年ぶりの新作『Good Thing』を発表した。

テキサス州フォートワース出身、現在28歳のリオン・ブリッジズは、2015年にColumbia Recordsから『Coming Home』でデビュー。1950年代~60年代を想起させるレトロ・ソウルな音楽性とその歌声でサム・クックやオーティス・レディングなどと比較され、また、表題曲“Coming Home”がiPhone 6のCMに使用されたことでも話題を呼んだ存在。2016年の第58回グラミー賞では、受賞こそ逃したものの、新人ながら『Coming Home』が最優秀R&Bアルバム賞の候補となった。この2016年には〈FUJI ROCK FESTIVAL〉で初来日も果たしたほか、同年9月に開催された〈Apple Music Festival〉ではレーベルメイトであるファレル・ウィリアムスと同日にパフォーマンスを披露した。

以降も、人気TV番組『Saturday Night Live』でライブ出演する機会を得たほか、第56回グラミー賞で4冠となった人気デュオ=マックルモア&ライアン・ルイスの2016年作『This Unruly Mess I’ve Made』への参加を始め、バズ・ラーマンが製作総指揮を務めたことでも話題になったNetflixドラマ『ゲットダウン』の豪華サウンドトラックではテラス・マーティンのプロデュースでテンプテーションズ“Ball Of Confusion”をカバー、またウィル・スミス主演映画『コンカッション』のサウンドトラックに新曲“So Long”を提供と、活躍を続けてきた。

この若きソウルマンが、デビュー作『Coming Home』からおよそ3年ぶりとなる新作『Good Thing』で帰ってきた。前作では、彼を見出した地元フォートワースのナイルズ・シティ・サウンド(Niles City Sound)が全面プロデュースしたが、今回はリッキー・リード(Ricky Reed)がエグゼクティヴ・プロデューサーを担当。“Wiggle”(全米チャート最高5位)、“Talk Dirty”(全米チャート最高3位)といったジェイソン・デルーロのヒット曲を筆頭に、リゾ、メーガン・トレイナー、ケシャらを手がけ、第59回グラミー賞ではプロデューサー・オブ・ザ・イヤー候補にもなった人気プロデューサーだ。リッキー・リードとは数年前から知り合っており、2016年末にアナウンスされるも、いまだに発表されていないデージ・ローフ(Dej Loaf)のアルバム『Liberated』にリオン・ブリッジズがゲスト参加した際、その参加曲を担当していたのがリッキー・リードだったのだという。

リッキー・リードと共にプロデュースを担当しているのは、沼澤尚率いるNothin But The Funkのギタリストとしても知られるネイト・マーセロー(Nate Mercereau)や、サイケデリック・ソウルなデビュー作『Make It Sweat』が昨年話題を呼んだインディ・デュオのキング・ガービッジ(King Garbage)ら。前作を支えたナイルズ・シティ・サウンドも2曲で参加している。さらにソングライター陣には、かつてスティーヴ・マックとのタッグでウェストライフの大ヒット曲の数々を書き、近年もニッキー・ミナージュの“Starships”などを手がけたポップ職人のウェイン・ヘクター(Wayne Hector)や、同様にジャスティン・ビーバーの“Sorry”やマルーン5の“Cold”など現行ポップス界の売れっ子ジャスティン・トランター(Justin Trantor)、そしてアデルの“Someone Like You”のプロデューサーとして有名なダン・ウィルソン(Dan Wilson)といった顔ぶれが集まっている。

こうした制作布陣から見ても明らかなとおり、この新作『Good Thing』では前作のようなレトロ色は後退。代わりにモダンなムードが漂う作品になった。1曲目の“Bet Ain’t Worth The Hand”こそカーティス・メイフィールド“The Makings of You”を下敷きにした70sソウル路線だが、アンダーソン・パークあたりとも通じるようなジャズ・ファンクな“Bad Bad News”を始め、ウィスパーズの80年ディスコ・ヒット“It’s A Love Thing”を参照した“If It Feels Good (Then It Must Be)”、80年代ブギーな“You Don’t Know”など、モダン・ファンク色が強め。“Lions”にはディアンジェロの薫りも漂う。前作を感じさせるような曲もあるものの、前作のファンはちょっと驚きそうな変態を遂げている。

エスクァイア誌のインタビューによれば、この“変化”は、2016年にザ・ルーツ主催の音楽フェスティバル〈The Roots Picnic〉の出演がきっかけになったのだという。2016年の〈The Roots Picnic〉では、フューチャーやミーゴスといった人気ヒップホップ・アクトが観客の大半を占める黒人層を大いに盛り上げた一方、リオン・ブリッジズのパフォーマンスには観客の反応が悪かったそうで、「心が折れたよ。そしてフェスってのはトップ40ヒットやヒップホップ中心の場なんだって理解した……でも傷ついた」と振り返っている。

実際、彼はつい最近も黒人層から批判にさらされた。今年、テキサス州ヒューストンで毎年3月に開催される世界最大のロデオの祭典〈Houston Livestock Show and Rodeo〉の中でアフリカ系アメリカ人の功績を讃える「Black Heritage Day」にヘッドライナーとしてライブ出演が決まったリオン・ブリッジズに対し、昨年末頃から「なぜ、(黒人層の支持の薄い)彼なのか?」といった批判が噴出。地元メディアでもニュースとして取り上げられた。「テキサス出身で、黒人なのに、どうして自分がBlack Heritage Dayの象徴になれないんだ?」とリオン・ブリッジズはこぼしているが、“支持層は白人”というイメージが強いようだ。

こうした“ギャップ”を肌で感じていたリオン・ブリッジズは、悔しさをエネルギーに変え、この新作『Good Thing』の制作にぶつけた。そしてロサンジェルスでリッキー・リードと制作をしていくうちに、この新境地へとたどり着いたという。以前から、シンガーとしての影響源としてR&Bスターのアッシャーの名前を挙げていたリオン・ブリッジズだが、ある意味、本作でようやく等身大の自分を表現できたとも言えるだろう。「自分だって、ブルーノ(・マーズ)やアンダーソン・パーク、アッシャーについての話題の中に入ることもできるんだ。でも、自分らしくいるけどね」と、リオン・ブリッジズは語っている。

なお、今月23日には高品質Blu-spec CD2仕様となる日本盤CDも発売。ボーナストラックとして、「トラブルメーカーな女性について歌った」という“Naomi”という曲が追加収録される予定だ。

1. Bet Ain’t Worth The Hand [prod. by Nate Mercereau & Ricky Reed / co-written with Wayne Hector]

2. Bad Bad News [prod. by Nate Mercereau & Ricky Reed / co-written with Wayne Hector]

3. Shy [prod. by Ricky Reed & Niles City Sound / co-written with Dan Wilson]

4. Beyond [prod. by Ricky Reed & Nate Mercereau / co-written with Justin Tranter]

5. Forgive You [prod. by Ricky Reed & Nate Mercereau / co-written with Justin Tranter]

6. Lions [prod. by Ricky Reed & King Garbage / co-written with Wayne Hector]

7. If It Feels Good (Then It Must Be) [prod. by Ricky Reed & Nate Mercereau]

8. You Don’t Know [prod. by Niles City Sound & Ricky Reed / co-written with Wayne Hector]

9. Mrs. [prod. by Ricky Reed & King Garbage]

10. Georgia To Texas [prod. by Niles City Sound & Ricky Reed]

[Japanese bonus track]
11. Naomi