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2017年米音楽消費、デジタル・ダウンロードの年間収益がついにフィジカルを下回る

RIAA (Recording Industry Association of America)

定額制ストリーミング・サービスが右肩上がりで成長する一方で、実売セールスが下降している音楽消費だが、ついにアメリカにおける2017年のデジタル・ダウンロードによる収益が、CDやレコードといったフィジカル・フォーマットの収益を下回ったことが分かった。

これはRIAA (Recording Industry Association of America)、いわゆる全米レコード協会が発表した2017年の年間レポートから明らかになったもの。音楽セールスなどの実態を調査し報告するニールセン・ミュージックが発表したアメリカにおける2017年の年間レポートによれば、ストリーミング・サービスの人気拡大により音楽消費全体は前年に比べて12.5%増と拡大している中で、アルバムの実売セールスは前年比17.7%減となっているが、ついにデジタル・ダウンロードが、フィジカルを下回るまで落ち込んだ。

全米レコード協会によると、CDやレコードといったフィジカル・フォーマットの米年間収益は、2015年は前年比10.1%減、2016年には前年比15.7減と落ち込みが激しかったが、2017年は前年比3.7%減(およそ15億ドル)にとどまり、減少トレンドは落ち着きを見せているのではないか、とされている。一方でデジタル・ダウンロードの米年間収益は、2015年は前年比10.4%減、2016年には前年比21.6減となったのに続き、2017年は前年比24.7%(およそ13億ドル)とさらに減少幅が拡大。ついにデジタル・ダウンロードの年間収益がフィジカルを下回る形となった。昨年末には、Appleが2019年中にiTunes Music Storeを閉鎖し、ダウンロード販売から撤退すると一部で報じられた(Appleはこの報道を否定)が、ダウンロード・セールスの落ち込みが続けば、現実となる可能性もあると見られる。

2017年の全体の収益は前年比16.5%増(およそ87億ドル)で、2016年の前年比11.7%増を上回る増加幅になる好調ぶりで、2年連続で2ケタ成長となったのは20年近くぶりだという。また、総合で87億ドルという収益は、2008年の水準まで回復したことを意味する。

この成長トレンドを支えているのは、やはりSpotifyやApple Musicといったサブスクリプション型ストリーミング・サービスで、2017年のストリーミングによる収益は前年比で43%増(およそ57億ドル)と大幅に拡大。また、2016年には初めてストリーミングによる収益が全体の52.9%を記録し、過半数を占めたが、2017年はさらにストリーミングによる収益は、全体のおよそ2/3となる65%を占めるまでに。このストリーミングの伸びは特に、Apple MusicやSpotify Premiumを始め、アメリカでは2016年10月から始まったAmazon Music Unlimited(日本では2017年11月から)、さらに近年はiHeartRadio All Access、Pandora Premiumが始まるなど増加傾向にある有料型サービスの好調が牽引している。広告が付く無料型のストリーミング・サービスによる収益は、年間で6億5900万ドルに留まるが、こうした有料型のストリーミング・サービスによる収益は前年比63%増年間でおよそ41億ドルとなり、全体の47%を占めている

また、この有料型ストリーミング・サービスの中には、一定の制限が付くことで月額料金が割り引かれる廉価プランが、前年比で2倍以上となる124%増となるなど大きく伸びを見せ始めているとのこと。こうした廉価プランには、Amazonのスマートスピーカー「Amazon Echo」端末1台での制限が付くことで月額3.99ドル(日本では月額380円)となるAmazon Music Unlimitedの「Echoプラン」などがある。