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米小売チェーンのベストバイ、6月中にCD販売からの撤退報道 他チェーンも追従か

Best Buy

アメリカ最大の家電量販店チェーンとして知られるベストバイ(Best Buy)が、店舗でのCD販売から撤退すると米Billboard誌が報じている。

ミネソタ州ミネアポリス近郊のリッチフィールドに本社を置くベストバイは、90年代に急成長して全米最大の家電量販店チェーンとなり、特に2009年に全米2位のサーキットシティ(Circuit City)が経営破たんにより全店閉鎖に追い込まれてからは圧倒的優位に立っているとされている。

一方で、音楽セールスなどの実態を調査し報告するニールセン・ミュージックが発表したアメリカにおける2017年の年間レポートによれば、ストリーミング・サービスの人気拡大により音楽消費全体は前年に比べて12.5%増と拡大している中で、アルバムの実売セールスは前年比17.7%減、そのうちフィジカルは16.5%減となっており、CDはますます売れなくなっている。

そうした背景からか、ベストバイがCD販売から撤退する予定であることをサプライヤーへ通達しているという。これは米Billboard誌が複数の関係者からの情報を元に報じたもので、7月1日以降は店舗からCD売り場が姿を消すと連絡が回っているとのこと。全米最大の家電量販店チェーンということもあり、ベストバイではかつてはCDもかなり売れていたが、現在はCDの売り上げは売上高の0.1%程度に留まると見られる。なおベストバイは、CD販売から撤退する一方で、前年比で9%増と実売セールスにおいて唯一拡大傾向にあるレコードについては今後2年間は取り扱いを継続する予定だという。レコードは、ターンテーブルなどの機材と併売される見込み。

CD発売を促進するため、ベストバイではトゥイート(Tweet)の『Charlene』など、配信もされないボーナストラックを加えた独自盤を取り扱うなどの施策も行っていたが、同様の方法でCDを販売してきた米小売チェーンのターゲット(Target)もまた、CD販売について方針転換を行っていると米Billboard誌は伝えている。

米Billboard誌によると、ターゲットはサプライヤーに対し、CDとDVDの販売についてSBT (Scan-based Trading)に切り替えると宣言しているという。これまでは、ターゲットが商品を買い取り、60日を過ぎて売れ残った在庫をターゲットが費用を負担して返品するというシステムだったが、SBTを導入すると、ターゲットは購入されて(レジでスキャンされて)初めてサプライヤーにその分の金額を支払うという形に変わる。これにより、ターゲット側は在庫リスクを背負わなくて済むようになる。

ターゲットは、これを2月1日までに実施すると昨年の第4四半期中に通告していたとのことだが、DVDのほうはSBTへ切り替わったものの、CDについては遅れており、4月1日もしくは5月1日をデッドラインとする方向で進めているとか。米Billboard誌が得た情報では、メジャー・レーベルのうち1社はこれに反対し、2社はまだ判断を保留しているとのことだが、仮にこれに反対しても、ターゲットのCD販売の撤退を早めるだけだろうと見られる。大型チェーンのCD販売撤退が続けば、CDというメディアそのものについて転換期となりうる。

もっともターゲットは、かつては800タイトルを並べていたところを、現在は100タイトル以下に展開を絞っており、すでに段階的に撤退を始めているとも見ることができる。一方で、ターゲットは昨年、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)の大ヒット作『Reputation』と組み、ターゲット限定特典として72Pの雑誌風の冊子をVol.1Vol. 2の2種類を用意、それぞれCDとセットにして販売。昨年11月に発売された『Reputation』のアメリカでの発売1週間のセールスはおよそ121.6万枚、年間でおよそ190万枚を記録して2017年のアメリカでの実売セールス1位となったが、ターゲット限定盤だけで50万枚以上が売れたとされており、こうした「特典商法」での販売はまだ続く可能性は十分にありそうだ。