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クエストラブ、ザ・ルーツによる『デトロイト』主題歌にオノ・ヨーコの影響があったことを明かす

Detroit (Original Motion Picture Soundtrack)

日本では来年1月に公開予定となる映画『デトロイト』の主題歌をカリスマ・ヒップホップ・バンドのザ・ルーツ(The Roots)が手がけたが、この制作にはオノ・ヨーコの影響があったのだという。

映画『デトロイト』は、1967年のデトロイト暴動の中で起こったアルジヤーズ・モーテル事件を描いた作品。警官たちがモーテルへ乗り込み、居合わせた宿泊客に不当かつ暴力的な尋問、拷問を行い、最終的に10代の3人の黒人青年たちが殺されたこの悲劇的な事件に、『ハート・ロッカー』で女性初のオスカー監督賞に輝いたキャスリン・ビグロー監督が迫る。本国アメリカでは今年7月に公開されており、中でもザ・ルーツがビラル(Bilal)をゲスト・ボーカルに迎えて制作した主題歌“It Ain’t Fair”は、来年のアカデミー賞ノミネーションで最優秀オリジナル・ソング(アカデミー歌曲賞)の候補の1曲とされている。

ザ・ルーツは、監督のキャスリン・ビグロー直々の指名で『デトロイト』の主題歌を頼まれたのだという。ザ・ルーツの頭脳であるクエストラブ(Questlove)が米Billboard誌に明かしたところによると、当初は断っていたのだとか。それも、チャンス・ザ・ラッパー(Chance the Rapper)といった“もっとメインストリームの”アーティストにやってもらうといいと逆提案していたのだという。しかしビグロー監督の熱意に押されてオファーを受け、この6分強に及ぶメッセージソングが生まれたのだとか。曲の長さについては、「キャスリンに言ってやったよ、『この曲をちゃんとしたものにするなら、この曲は7分あっていいと思う。オスカーなんて獲れやしないんだから、8分にしようぜ!』って」とLA Times紙のインタビューで振り返っている。

また、「これは、『トイストーリー』で言うところの『きみは友だち』みたいな曲じゃない」とクエストラブが形容するこの“It Ain’t Fair”は、ビラルのアカペラから始まり、途中から演奏が力強くなると共にブラック・ソート(Black Thought)のラップが入る、という展開になっているが、これはクエストラブがオノ・ヨーコとレコーディングしたことが影響したのだという。「最初は静けさや穏やかさがあって、それが、タリク(ブラック・ソート)が入ると怒りへと変わっていく。感情の幅があるんだ。4ヵ月ほど前かな、ヨーコ・オノの新作に彼女の息子のショーン(・レノン)と参加したんだ。そこで、スクリーム・セラピー、絶叫療法について教えてもらった。ジョン・レノンが両親から捨てられたことを乗り越えるために、ヨーコがどんな風にスクリーム・セラピーを活用したか、という話。それで、『人を怖がらせることなく“怒り”を表現するにはどうしたらいいか?』ということを考えていた時に、エンジニアから『ヨーコ・オノのところで君はもうやったじゃないか。スクリーム・セラピーで』って言われてね」と、絶叫療法にインスピレーションを受けたとBillboard誌に話している。

クエストラブは他にも、ニューヨークのダップ・キングス(The Dap-Kings)のスタジオでヴィンテージ機材を使ってレコーディングした理由について、「1963年の機材を使って1967年のことを歌った曲を録音したら面白いんじゃないかと思ってね。モータウン流を直球でやってみたんだ。今のテクノロジーは一切無し。だから8トラックに、19人のミュージシャンで録音したんだ。小さい部屋でね。技術的にはまるで悪夢だった。18回連続でレコーディングしなきゃいけなかったから」と振り返っている。

“It Ain’t Fair”のバックコーラスには、ニュー・エディション伝記ドラマ『The New Edition Story』でラルフ・トレスヴァント役だったことで知られる俳優で歌手のアルジー・スミス(Algee Smith)や、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)らと共に『ビクトリアス』に出演していたことで知られるリオン・トーマス三世(Leon Thomas III)の名前も。

アルジー・スミスはこの『デトロイト』で、事件に巻き込まれたドラマティクス(The Dramatics)のリード・シンガー、ラリー・リード(Larry Reed)を演じている。ラリー・リードは事件後、トラウマによりグループを脱退しているが、この映画公開にあたって、アルジーがサウンドトラックに提供したオリジナル新曲“Grow”を一緒に歌う映像が公開。プロの歌手として公で歌うのは事件後、初だったとされている。またアリアナ・グランデ(Ariana Grande)やトニ・ブラクストン(Toni Braxton)らを手がける音楽プロデューサーでもあるリオン・トーマス三世も『デトロイト』に俳優として出演している。

キャスリン・ビグロー監督の映画『デトロイト』は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』や『パシフィック・リム: アップライジング』のジョン・ボイエガ、『レヴェナント: 蘇えりし者』や『メイズ・ランナー』のウィル・ポールターらを始め、ラリー・リードの友人フレッド役に、『素晴らしきかな、人生』(原題『Collateral Beauty』)や『クリスマスの贈り物』(原題『Black Nativity』)への出演でも知られる俳優で歌手のジェイコブ・ラティモア(Jacob Latimore)らが出演。グラミー受賞歌手のミゲル(Miguel)がドラマティクスのメンバー役を演じている。

デトロイト』は日本で2018年1月26日(金)より公開予定。