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ホイットニー・ヒューストンらの秘話も 音楽業界の伝説クライヴ・デイヴィスのドキュメンタリーが配信開始

Clive Davis: The Soundtrack of Our Lives

ジャニス・ジョプリンからマイルス・デイヴィスに至るまで数多くの大物アーティストと関わり、ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)やアリシア・キーズ(Alicia Keys)など数々の才能を世に送りだした音楽業界の伝説的プロデューサー、クライヴ・デイヴィスのドキュメンタリー映画『Clive Davis: The Soundtrack of Our Lives』の配信が始まった。

クライヴ・デイヴィスは、60年末から現在まで、ジャニス・ジョプリン、シカゴ、サンタナ(Santana)、アース・ウィンド&ファイアー(Earth, Wind & Fire)、ホイットニー・ヒューストン、アリシア・キーズといった才能を見出し、世に送り出してきた偉人。中でもホイットニー・ヒューストンをデビューからその最期まで見届けた人物としても知られる。

85歳を迎え、今も音楽業界に多大な影響力を持つこの伝説的人物に迫るドキュメンタリーが『Clive Davis: The Soundtrack of Our Lives』だ。これは、2013年に上梓された自叙伝『The Soundtrack Of My Life』を元に以前から映画化が進められていたもので、2015年頃から製作が始まっていた同作は今年4月にトライベッカ映画祭でプレミア上映され、その直前にApple Musicと独占契約したことを発表。9月27日に一部劇場で公開された同作は、10月3日にApple Musicでの配信が始まり、13日からiTunes Storeでのデジタル・ダウンロード販売が始まった。iTunes Storeでのレンタルは20日から始まる予定。もちろん日本語字幕も付いている。

映画は、ユダヤの貧しい家に生まれたクライヴ・デイヴィスが、弁護士として60年代にColumbia Recordsの法務部門にスカウトされ、その後にColumbiaの社長に迎えられるところから始まる。ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーのリード・シンガーだったジャニス・ジョプリンは、初めて見てすぐに「音楽の革命」だと衝撃が走り、その日のうちに契約。彼にとって初めて契約したアーティストだったという。ロックンロールの時代を予見していたクレイヴは、シカゴ、サンタナ、サイモン&ガーファンクル、ブルース・スプリングスティーン、エアロスミスらをヒットに導き、あっという間に音楽業界のヒットメイカーとなる。

70年代にはPhiladelphia International Recordsに出資、アース・ウィンド&ファイアーを発掘するなどR&Bを開拓。またArista Recordsを立ち上げた彼は、ギル・スコット・ヘロン、バリー・マニロウ、ディオンヌ・ワーウィック、アレサ・フランクリン、ケニー・Gらの作品をヒットさせ、Aristaをあっという間に国内有数のレーベルへと成長させる。また90年代にはパフ・ダディ(Puff Daddy)の登場に「ヒットチャートが変わる時」と確信、パフィのBad Boy Recordsに出資するといった先見の明が、クライヴの「黄金の耳」の逸話と共に語られていく。

マイルス・デイヴィスとの逸話やミニ・ヴァニリ事件、自叙伝でも明かされたセクシャリティ、サンタナを90年代末に『Supernatural』で大復活させたにも拘わらず、親会社から自身が立ち上げたAristaのCEOを事実上解任させられ、これがアリシア・キーズらを送りだしたJ Records立ち上げへと繋がるなどエピソードは盛りだくさんだが、ハイライトはやはり、娘のように可愛がっていたホイットニー・ヒューストンとの関係だろう。貴重なデモ音源まで流れる形で“I Wanna Dance With Somebody”のアレンジ秘話について明かし、また当初『ボディーガード』の出演に反対していたこと、名曲“I Will Always Love You”のアレンジについてデヴィッド・フォスター(David Foster)と大喧嘩になり、デヴィッド・フォスターに黙って自分の気にいったバージョンを世に出したという逸話から、クライヴ・デイヴィスが主催するグラミー前夜祭の直前にもたらされた訃報についてまで、ホイットニーについて多く語られる。本編最後が彼女のライブ映像で締め括られるのも、クライヴ・デイヴィスの彼女への想いの深さが窺えるところだ。

映画には、アリシア・キーズ、ジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)といったクライヴ・デイヴィスがデビューさせたアーティストから、パフ・ダディ、ベイビーフェイス(Babyface)、LA・リード(L.A. Reid)、ダイアン・ウォーレン(Diane Warren)、デヴィッド・フォスター、ケニー・ギャンブル&リオン・ハフ(Kenny Gamble & Leon Huff)、サイモン・コーウェル(Simon Cowell)、ジミー・アイヴィーン(Jimmy Iovine)、さらにはベリー・ゴーディ(Berry Gordy, Jr.)など数々の大物がインタビューに答えており、クライヴ・デイヴィスの先見の明、そしてアーティストに寄り添う姿勢を褒め讃える。2時間以上に及ぶドキュメンタリーではあるが、半世紀以上に渡って活躍してきた「生きる音楽史」とも言える人物だけに、彼の怒涛の人生を描くにはそれでも足りないくらいで、この50年の音楽の歴史を凝縮して詰め込んだような映画だ。

なお、一部劇場で公開となった9月27日に、この映画のサウンドトラックとしてコンピレーション『Clive Davis: The Soundtrack of Our Lives』が配信開始。クライヴ・デイヴィスがシングルカットを強く勧めたというサイモン&ガーファンクルの名曲「明日に架ける橋」を始め、ジャニス・ジョプリン、シカゴ、バリー・マニロウ、ブルース・スプリングスティーン、サンタナから、アース・ウィンド&ファイアー、アレサ・フランクリン、ディオンヌ・ワーウィック、ホイットニー・ヒューストン、アリシア・キーズまで、クライヴが関わってきた名曲の数々、実に20曲を収録。11月22日には、日本盤CDの発売も予定している。なお同日には、ホイットニー・ヒューストンの『ボディーガード』25周年記念として、未発表音源などで構成された『I Wish You Love: More From The Bodyguard』の日本盤も発売となる。