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鬼才モーゼス・サムニーがデビュー作を発売 サンダーキャット、キングのパリスらが参加 [全曲フル試聴可]

Moses Sumney - Aromanticism

ジェイムス・ブレイク(James Blake)との共演や、ソランジュ(Solange)、コリーヌ・ベイリー・レイ(Corinne Bailey Rae)作品への参加でも知られ、その音楽性が「ソウル・フォーク」などとも評される26歳の新進シンガー・ソングライター、モーゼス・サムニー(Moses Sumney)が、待望のデビュー・アルバム『Aromanticism』を発表した。

モーゼス・サムニーは、多重録音を駆使し、フォークトロニカ的なソウル・ミュージックを奏でるLAの新進シンガー・ソングライター。ジェイムス・ブレイク“Lindisfarne”のカバー、そして自身の“Replaceable”を多重録音でひとりでパフォーマンスする映像で2013年頃から注目を集めるようになり、サンダーキャット(Thudercat)やベック(Beck)といったアーティストの公演で前座を務めた。2014年1月にはLA Weekly紙が「2014年に注目すべきLAのアーティスト」10組のひとりに彼を挙げ、また同タイミングでOKayplayerも「2014年に注目すべきアーティスト14組」に彼を選出。後者では、サム・スミス(Sam Smith)、ケイトラナダ(KAYTRANADA)、SZAといった顔ぶれの中で、筆頭で紹介されている。

彼の才能は瞬く間にアーティスト、ミュージシャンを始め音楽関係者たちの間に広がるが、中でもTV オン・ザ・レディオ(TV On The Radio)のデイヴ・シーテック(Dave Sitek)は、自分のやりたいことを実現させるならセルフ・プロデュースでやったほうがいいと彼にアドバイスし、4トラック・レコーダーを貸与。モーゼスはこれを使って、自宅のベッドルームでフリーEP『Mid-City Island』を完成させた。また、デイヴ・シーテックを介してソランジュも彼の音楽に触れ、2014年2月のニューヨーク・コレクションの一環で開かれたSaint Heronのショウケース・ライブに彼を抜擢。ここからソランジュとの絆が生まれ、ソランジュが昨年発表した『A Seat At The Table』への参加につながるほか、ソランジュとも交流のあるクリス・テイラー(Chris Taylor)と知り合い、2015年にはクリスらによるレーベル Terrible Recordsから、“Seeds”と“Pleas”を収録した7インチ・シングルをリリースしている。

さらに、ベックが2014年7月に発売した『Song Reader』のオープニングを飾る“Title Of This Song”で共同プロデューサー/ゲスト・アーティストとして抜擢。2016年には、ハンドレッド・ウォーターズ(Hundred Waters)“Show Me Love”のスクリレックス(Skrillex)によるリミックスにチャンス・ザ・ラッパー(Chance the Rapper)、ロビン・ハンニバル(Robin Hannibal)らと共にゲスト参加したほか、コリーヌ・ベイリー・レイの新作にもバックコーラスとして招かれ、加えてジェイムス・ブレイクやスフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)のツアーで共演するなど、活躍の場を広げていった。

そしてボン・イヴェール(Bon Iver)やジャミーラ・ウッズ(Jamila Woods)らを抱える米インディ・レーベルのJagjaguwarと契約し、昨年9月にEP『Lamentations』を発売し、さらに評価を高めていたモーゼス・サムニーが、ついに待望のフル・アルバムを完成させた。

Aromanticism』と題されたこのアルバムは、『Lamentations』にも収録されていた“Lonely World”を含む全10曲。日本盤にはボーナストラック“Latchkey Kid”が1曲が加わる。ルス・コレヴァ(Ruth Koleva)最新作の全面プロデュースも話題になったジョージ・ライネヴ(Gueorgui “Georgi” Linev)が共同プロデュース、サンダーキャットが共同作曲、演奏で関わった“Lonely World”は、ドラムにニューヨークのディスコ系バンド=バディ・ランゲージ(Body Language)でも活躍するイアン・チャン(Ian Chang)、そして8弦ギターの才人トシン・アバシ(Tosin Abasi)といった才能も参加し、『Lamentations』での発表時から絶賛されていた曲だ。

ンダーキャットは、SZAやノーネーム(Noname)らのプロデュースで知られるキャム・オビ(Cam O’bi)と共同制作された“Quarrel”にも参加。こちらも、ドラムにジャマイア・ウィリアムス(Jamire Williams)、シンセサイザーにデビュー当初からの友人である、LAの女性3人組=キング(KING)のパリス・ストローザー(Paris Strother)、ハープに先日来日公演も行ったブランディー・ヤンガー(Brandee Younger)といった顔ぶれが集結。他にもアルバムには、チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)のプロデューサーとして知られるルーヴィグ・ゴランソン(Ludwig Göransson)、ミゲル・アトウッド・ファーガソン(Miguel Atwood-Ferguson)から、モントリオールのデュオ=マジカル・クラウズ(Magical Cloudz)のマット・オットー(Matt Otto)、ハンドレッド・ウォーターズのニコール・ミグリス(Nicole Miglis)らが参加しており、モーゼスがいかにミュージシャンたちに愛されているかが窺える。

ソウル、フォーク、エレクトロニカからジャズやインディ・ロックにも接近するその作風は、時に「ソウル・フォーク」、「ゴーストリー・フォーク」などと形容されるが、ひとつのジャンルにカテゴライズされないモーゼス独自の音世界となっている。米Billboard誌のインタビューでは自ら、自分の音楽性を「実験的で、ソウルで、フォーク」と形容している。

なお、タイトルの『Aromanticism』という言葉は「恋愛感情がない状態」を意味するをaromanticに由来する。彼は自身のtumblrで、このアルバム・タイトルの意図を説明する中で、プラトンの『饗宴』や聖書について触れながら、不完全な存在である人間は、他者と一緒になることで完全になろうとし、ゆえに現代では恋愛こそ自身の存在を理由づける重大なものになっているが、果たして恋愛がなければどうなるのか?と綴っており、人生における愛とは何か、孤独とは何かを問いかける作品となったようだ。

1. Man On The Moon (Reprise)

2. Don’t Bother Calling

3. Plastic

4. Quarrel

5. Stoicism

6. Lonely World

7. Make Out In My Car

8. The Cocoon-Eyed Baby

9. Doomed

10. Indulge Me

11. Self-Help Tape