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自殺しないよう呼びかけるロジック「1-800-273-8255」が全米トップ5入り

Logic - 1-800-273-8255

27歳の米若手ラッパー/プロデューサー、ロジック(Logic)のシングルで、米政府が提供する自殺防止ホットラインの電話番号をタイトルに冠し、「生きていて欲しい」と呼びかけるメッセージソング“1-800-273-8255”が、全米シングル・チャートで先週9位からさらに上昇し、今週はついにトップ5入りを果たした。

両親はコカインやアルコールの中毒、兄弟はコカインを精製・販売するという環境に育つも、RZAが音楽を手がけた映画『キル・ビル』の影響でヒップホップにハマり、ラップに開眼したというロジックは、2013年にDef Jam Recordingsとのメジャー契約を手にし、2014年10月、ノー・I.D.(No I.D.)をエグゼクティヴ・プロデューサーに迎えたデビュー・アルバム『Under Pressure』を発表。あのエド・シーラン(Ed Sheeran)が「ロジックのアルバムが本当にいい」などと賛辞を送ったほか、Complexによる年間ベスト選で45位、VIBEの年間ベスト選で6位に選出されるなど高く評価された。

アレッシア・カーラ(Alessia Cara)とカリード(Khalid)という若手シンガーふたりをゲストに迎えた“1-800-273-8255”は、ロジックにとってメジャー3作目となる最新作『Everybody』(⇒ 全曲フル試聴可)からのシングル。ロジック自身も共同プロデュースを務めているこの曲は、ファンとの触れ合いがヒントとなって生まれたもの。ファンとダイレクトに結びつこうと動いてきたロジックは、前作『The Incredible True Story』発売の際に自費で10万ドル(およそ1100万円)を投じてツアーバスや運転手、ドキュメンタリーの制作チームを用意し、LAからニューヨークまでファンの自宅を突撃して新作を聞かせるというプロモーションを敢行。この際に、ファンから直接「あなたの音楽が私の人生を救ってくれた」、「あなたに救われた」などと想いをぶつけられ、自身の影響力を実感したことで、聞いている人たちを本当に救うことのできる曲を作れないか?と考えて、このテーマが浮かんだのだという。

一時期はあまりの忙しさから深刻な不安発作に苦しみ、離人症性障害を発症したこともあるロジックは、この“1-800-273-8255”では「自分の人生を生きているという感じがしなかった」などその頃の苦しみも綴り、サビで「もう生きていたくない」、「今日死んでしまいたい」と苦しみを吐露する。しかし途中からサビは「生きていてほしい」という願いに変わり、アレッシア・カーラが優しさに満ちた歌声で呼びかけると、ロジックのラップは「とても難しいことは分かっているけど、でも今死んではいけないんだ」というメッセージとなり、最後にカリードが「死にたくなんてない」という感情を吐き出す、という構成の曲になっている。

このロジックの“1-800-273-8255”は、今年5月の『Everybody』発売直後には全米シングル・チャートで47位まで上昇していたものの、その後はやや低迷していたが、8月中旬に、自身のセクシャリティに悩み苦しむ同性愛カップルを描いたミュージック・ビデオが公開。名優ドン・チードルらも出演し、短編映画のようなストーリーを映し出したこのビデオは話題を呼び、チャートイン18週目の8月末に、前週50位から37位へと上昇。アルバム発売直後の順位を大きく上回った。

翌週にはさらに29位へと上昇するが、この曲に大きな注目を集めたのは、米時間で8月27日に開催された〈MTV Video Music Awards〉だった。6冠に輝いたケンドリック・ラマ―(Kendrick Lamar)らのパフォーマンスも話題になった同アワードだが、ケシャ(Kesha)による「誰にでも苦しみはある。そして、あなたがあなた自身を諦めないかぎり、光がその闇を打ち砕くことでしょう」というスピーチと共に始まったロジックによる“1-800-273-8255”のパフォーマンスでは、自殺未遂者や、自殺で家族や友人を失った人たちが、この自殺防止ホットラインの番号を表に、「あなたはひとりじゃない」というメッセージを裏に書いたTシャツを着て登場。放送後には、自殺防止ホットラインへの電話が50%増となるなどの反響を起こした。

この〈MTV Video Music Awards〉でのパフォーマンスの影響で、前週には29位から9位へとジャンプアップしたロジックの“1-800-273-8255”は今週、さらに5位へと上昇。デジタル・ダウンロード・セールスこそ減少したが、ストリーミング・サービスでの再生回数が前週比53%増と急拡大し、またラジオ・エアプレイ数も大きく上昇したことが影響したようだ。全米シングル・チャートで5位という記録は、ロジック、カリードにとって自身最高位を更新したほか、アレッシア・カーラにとっても、2015年のデビュー・シングル“Here”の最高位5位と並ぶヒットとなった。なおカリードは、「これほどヒットするとは思わなかった」とこの結果に驚きつつも、「特にマイノリティにとって、自分が信じていることを話すことのできる勇気をくれた」と米Billboard誌に話している。

また、今週の全米シングル・チャートは、先週1位となったテイラー・スウィフト(Taylor Swift)の“Look What You Made Me Do”が引き続きトップの座を制したほか、テイラー・スウィフトの新曲“…Ready For It?”が初登場4位となり、トップ5中、テイラーが2曲を同時に送りこんだ形となった。

さらに今週は、ニューヨークの24歳新進女性ラッパー、カーディ・B(Cardi B)のメジャー・デビュー・シングル“Bodak Yellow”が、ルイス・フォンシ(Luis Fonsi)&ダディ・ヤンキー(Daddy Yankee)“Despacito”を下し、チャートイン11週目でついに2位へと上昇。自己最高位を更新している。全米チャート16週1位という記録的ヒットとなった“Despacito”は、代わって今週3位へとダウンしている。

Hot 100 全米シングル・チャート・トップ10
1.(→1) Taylor Swift – Look What You Made Me Do
2.(↑3) Cardi B - Bodak Yellow
3.(↓2) Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber – Despacito
4.(-) Taylor Swift – …Ready For It?
5.(↑9) Logic ft. Alessia Cara & Khalid - 1-800-273-8255
6.(↓4) DJ Khaled ft. Rihanna & Bryson Tiller – Wild Thoughts
7.(→7) Charlie Puth – Attention
8.(↓6) Imagine Dragons - Believer
9.(↓7) French Montana ft. Swae Lee – Unforgettable
10.(↓8) Shawn Mendes – There’s Nothing Holdin’ Me Back