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マックスウェルらが信頼するサックス奏者ケネス・ウェイラムがR&B色を強めた新作を発表 ビッグ・K.R.I.T.ら参加

Kenneth Whalum - Broken Land

今週の全米チャート1位のヒットとなっているジェイ・Z(JAY-Z)『4:44』や、マックスウェル(Maxwell)のグラミー受賞作『BLACKsummers’night』などに参加するなどヒップホップ~R&B作品での活躍でも知られるジャズ・サックス奏者のケネス・ウェイラム三世(Kenneth Whalum III)が、6年半ぶりの新作『Broken Land』を発表した。

メンフィス出身、ニューヨークを拠点とするケネス・ウェイラムは、ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)版“I Will Always Love You”でのソロ・プレイでも有名なグラミー受賞サックス奏者カーク・ウェイラム(Kirk Whalum)の甥にあたり、またブルーノ・マーズ(Bruno Mars)のバンドでトロンボーンを吹くキャメロン・ウェイラム(Kameron Whalum)の兄にあたるという、音楽一家育ちのサックス奏者/編曲家。元々はドラマー志望だったが、教師の勧めで著名なおじと同じサックスに転向したという。

父親の教会で腕を磨いた後、ビラル(Bilal)やロバート・グラスパー(Robert Glasper)など数々の才能を輩出したニューヨークのニュースクール大学に進学。在学中にディディ(Diddy)のツアー・メンバーとなったことがきっかけとなって、ディディが複数曲をプロデュースしたジェイ・Zの2007年作『American Gangster』では、“Roc Boys (And the Winner Is)…”などで演奏だけでなくホーン・アレンジも担当した。これをきっかけに様々なヒップホップ~R&Bアーティストからオファーを受けるようになり、マックスウェルとはグラミー受賞作『BLACKsummers’night』への参加だけでなく、昨年の初来日公演を始めツアーにも呼ばれるなど厚い信頼を得た。また、ディアンジェロ(D’Angelo)の近年のツアーでも活躍したほか、最近はジェイ・Zの最新作『4:44』でも演奏している。

2010年末には、ロバート・グラスパーやクリス・デイヴ(Chris “Daddy” Dave)、デリック・ホッジ(Derrrick Hodge)らにコモン(Common)も参加したリーダー・アルバム『To Those Who Believe』を発表し、ヒップホップの影響を受けたニューヨーク現行ジャズを聞かせていたケネス・ウェイラムだが、ここ最近はサイドマンとして売れっ子に。だが2014年1月には、ラッパー/プロデューサーのビッグ・K.R.I.T.(Big K.R.I.T.)をゲストに迎えた“Away”をリリースし、アーティストとして久々に再始動する。

2015年末には“Away”同様に自らボーカルも聞かせ、オルタナティヴR&Bにも接近した“Ghost Town”を発表。『Through Hell & High Water』という新作を準備中としていたものの、その後しばらく音沙汰が途絶えたが、昨年9月になって再びビッグ・K.R.I.T.を迎え、警察による行き過ぎた暴力をテーマとした“Might Not Be OK”をリリース。そしてついに、2017年7月になって、『Broken Land』というタイトルに改められたケネス・ウェイラムのセカンド・アルバムが自主レーベルから発売された。

全8曲となったアルバムには残念ながら“Away”は未収録となっているが、エリマージ(ERIMAJ)やロバート・グラスパー・トリオでの活躍でも知られる気鋭ドラマーのジャマイア・ウィリアムス(Jamire Williams)や、ホセ・ジェームズ(Jose James)バンドで活躍する鍵盤奏者クリス・バワーズ(Kris Bowers)など、“Away”から制作メンバーは変わらず引き継がれている。またゲストには、ビッグ・K.R.I.T.に加え、インディペンデントで活動する女性R&Bシンガーのインディア・ショーン(India Shawn)が招かれている。

サックスだけでなく自ら歌も聞かせる今作は、いわゆるオルタナティヴR&Bに近い内容となっているが、それはレディオヘッド(Radiohead)の大ファンであることを公言し、フランク・オーシャン(Frank Ocean)やドレイク(Drake)を最近のフェイバリットに挙げる彼のムードが反映されているようだ。USA Todayの取材では、「エッジーにしようとか、レーベルを拒否しようとか、そういう意図があったわけじゃない。単純に、いろんなものから影響を受けているってことなんだ。レディオヘッドの大ファンだし、フランク・オーシャンも大好きだ。アイザック・ヘイズやアル・グリーンのようなソウル・ミュージックもたくさん演奏してきたし、ずっと学んできたジャズももちろん。このアルバムはR&B色が強いけど、様々な角度から構築し、様々な角度から聴けるものだと思う」と説明している。

またプレスリリースでは、「今作は自分にといってとてもパーソナルなプロジェクト」と表現しており、「(完成するまでに)痛みを経験する時間があった。自分はそこから逃げなかった。それが曲に反映されていると思う。心を痛める経験があるからこそ、痛みを乗り越える喜びを覚えるんだ。音楽的にもそういった面がはっきりと表明されていると思う」と述べていることから、内省的なムードもアルバムのカラーになったようだ。

ケネス・ウェイラム『Broken Land』は7月14日から発売中だが、残念ながら現時点では日本では取扱いは無い

1. Last Words (feat. India Shawn)
2. Ghost Town
3. Empty
4. Motive
5. Try
6. Might Not Be OK (feat. Big K.R.I.T.)
7. Lay It Down
8. Don’t Look Back