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「ブラード・ラインズ」裁判、マーヴィン・ゲイ遺族側をヴァレリー・シンプソンらが支援へ

Robin Thicke - Blurred Lines (single)

2013年夏に12週に渡って全米チャート1位を独占したロビン・シック(Robin Thicke)の世界的ヒット・シングル“Blurred Lines”が、昨年3月にマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の楽曲の著作権を侵害していると判断された裁判で、ロビン・シック側の上訴の動きに対し、マーヴィン・ゲイ遺族側を支持するミュージシャン、ソングライターたちも現れている。

ヒットメイカーのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)がプロデュースしたロビン・シックの“Blurred Lines”は、全米チャートで12週1位を獲得するなど世界的なヒットとなり、2013年を代表する曲のひとつ。だが、マーヴィン・ゲイの遺族が、マーヴィンの1977年のヒット曲“Got To Give It Up”を無断で盗用しているとして提訴。2015年3月上旬、“Blurred Lines”は著作権侵害を犯していると陪審員が裁定し、ロビン・シック並びにファレルたちは敗訴に。損害額740万ドル(後に530万ドルに減額)、さらに今後の“Blurred Lines”のロイヤリティについて50%の権利をゲイ側が持つと定められた。

「著作権者の権利は譜面上に書かれているものだけに限定される」という過去の判例から、「譜面を読めばまったく違う曲だと分かる。一方はマイナー・コードで、もう一方はメジャー・コードだ。音の高さですら一緒じゃない」と盗作を否定していたロビン・シック/ファレル側はこの判決に納得できず、再審理請求に動いており、今年8月には上訴趣意書を提出。その際には、R.ケリー(R. Kelly)、ジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)、アース・ウィンド&ファイアー(Earth, Wind & Fire)、ホール&オーツのジョン・オーツ(John Oates of Hall & Oates)、リンキン・パーク(Linkin Park)を始め、200名以上の著名アーティストや作曲家ら音楽関係者が連名で「法廷助言人」となり、「この裁判における判決は、過去の作品に“インスパイア”されて新しい音楽を創ることを罰するかのような脅しにも受け取れる」などといった意見書を提出し、ロビン・シック/ファレル側を支援していることが話題になった。

だがこれに対し、マーヴィン・ゲイ遺族側にも著名なミュージシャンや作曲家たちが集まった。Hollywood Reporterの報道によれば、亡き夫ニコラス・アシュフォードと共に“Ain’t No Mountain High Enough”、“You’re All I Need To Get By”といったマーヴィン&タミー・テレルの数々の名曲を生んだことで知られるヴァレリー・シンプソン(Valerie Simpson)を始め、グラミー賞にも輝いたサム&デイヴ“Soul Man”などを手がけたデヴィッド・ポーター(David Porter)、アース・ウィンド&ファイアー“Boogie Wonderland”やヴァネッサ・ウィリアムス“Save The Best For Last”などで知られるジョン・リンド(Jon Lind)、スティーヴィー・ワンダー“My Cherie Amour”などに関わったシルヴィア・モイ(Sylvia Moy)といった著名なソングライターを始め、モータウン・サウンドを主にアレンジ面で支えた名匠ポール・ライザー(Paul Riser)といった重鎮が、遺族側のサポートに付いたという。

また遺族側も、ロビン・シック/ファレル側と同様に音楽研究者や専門家の意見書を提出。“Got To Give It Up”の演奏からメロディやコードなどを抜き出して譜面にしたものと、“Blurred Lines”のサウンドには類似性があるとするなどの指摘が為されており、改めて真っ向から対立している。

この“Blurred Lines”裁判においてロビン・シック/ファレル側は、パーカッションや歌い方など、譜面上には表れないがサウンドを構成している音楽的要素は「著作権上保護されない要素」であり、陪審員はこれを考慮に入れたために判断ミスをしたと主張。プロデュースしたファレルは、「誰もジャンルやスタイル、グルーヴというものを“所有”することはできない」、「フィーリングやエモーションを所有するなんてできない」として、著作権侵害はないと説明している。