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MCレンとアイス・キューブ、ロックの殿堂入り授賞式でジーン・シモンズに反論 「ヒップホップは永久」

N.W.A.

キッス(Kiss)のジーン・シモンズ(Gene Simmons)が先月、ラップ/ヒップホップを否定するような発言をし波紋を呼んだが、伝説的ヒップホップ・グループ、N.W.A.のメンバーのアイス・キューブ(Ice Cube)とMCレン(MC Ren)が、N.W.A.のロックの殿堂入りの授賞式スピーチの中でと反論したことが話題となっている。

ヒップホップ界のカリスマ・プロデューサー、ドクター・ドレー(Dr. Dre)や、俳優としての活躍でも知られるアイス・キューブらが在籍したことで知られる、米西海岸の伝説的ヒップホップ・グループ N.W.A.。彼らの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』が昨年8月にアメリカ等で公開され(日本は公開中)、音楽の伝記映画としてエミネム(Eminem)の『8 Mile』を抜く史上最高のオープニング成績で北米の週間興行成績ランキングで初登場1位、公開3週目にして音楽の伝記映画としては過去最高の累計興行成績となり、昨年10月までで世界で累計2億ドルを突破するといった大ヒットに。映画の影響で、およそ27年前、1988年に発表したデビュー・アルバム『Straight Outta Compton』が一時、全米チャートの4位まで浮上するといった事態も起きるなど、『ストレイト・アウタ・コンプトン』は大旋風を巻き起こし、その勢いに乗って、N.W.A.は2016年版「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame)の候補に選出。見事、殿堂入りを果たした。

このロックの殿堂の授賞式が4月8日にブルックリンのバークレイズ・センターで開催され、ドクター・ドレー、アイス・キューブ、MCレン、DJイェラ(DJ Yella)の4人、そして1995年に亡くなったイージー・E(Eazy-E)の母が出席。N.W.A.が結成されたコンプトン出身の人気ラッパーで、先月の第58回グラミー賞で最多の5冠に輝いたケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)がN.W.A.を讃えるスピーチで彼らの殿堂入りを祝福した。

残念ながらN.W.A.によるライブ・パフォーマンスは事前にアイス・キューブが否定していたとおり実現しなかったが、ドクター・ドレーらメンバーが授賞スピーチを行った中で、MCレンの発言が注目の的に。今年3月、キッスのジーン・シモンズが米Rolling Stone誌のインタビューで、「ロックは死んでいる」などと現在の音楽シーンについてコメント。その中で、「ラップの死を楽しみにしているよ。喋ってるんじゃなくて、歌詞とメロディのある音楽への回帰を待っている。俺の意見では、“曲”というものはリリックとメロディがあるものだという定義だ。あるいはメロディだけ」と話し、波紋を呼んだ。MCレンはこれについて言及し、短いスピーチの最後で「ジーン・シモンズ氏に言いたいことがある。ヒップホップは永久だ! 慣れてくれ!」などと語り、簡潔ながらジーン・シモンズに反論を投げかけた。

MCレンの後にスピーチしたアイス・キューブもこれに続いた。授賞式の前に行われたNew York Times紙の取材でも、「ジーン・シモンズのことは尊敬しているが、この件については彼は間違っていると思う。なぜならロックンロールというものは楽器でも歌唱でもない。魂だからだ」と同じく反論していたアイス・キューブは、他のメンバー同様に感謝の言葉を口にしながら、最後に「ところで質問、俺たちはロックンロールだろうか? 確かに俺たちはロックンロールだ、と俺は言うよ」と始め、先のジーン・シモンズへの反論をさらに説明。「ロックンロールは楽器じゃない。音楽のスタイルでもない。魂だ。魂は脈々と受け継がれている。ブルース、ジャズ、ビバップ、ソウル、R&B、ロックンロール、ヘヴィメタル、パンク、そしてヒップホップ。俺たちみんなをつなげているのはその魂なんだ。ロックンロールは、先人に従えというものじゃない。音楽、そして人生における自分の道を自分で創れ、というものだ。それこそがロックンロールであり、俺たちはまさにそうだった。ロックンロールは枠に囚われない。だからロックンロールはN.W.A.なんだ」と語った。

MCレンやアイス・キューブのこうした発言を受けてか、ジーン・シモンズはTwitterで、アイス・キューブに対し、「ジミ・ヘンドリクス(Jimi Hendrix)がヒップホップの殿堂入りしたら教えてくれ。そうしたら君の意見も一理あるだろう」とやり返している。もっとも、ロックの殿堂と同じ体裁としてのヒップホップの殿堂(Hip Hop Hall of Fame)というものは存在しない。

なお、最初にスピーチをしたドクター・ドレーは、「ケンドリック・ラマーもいずれこのステージに立つことだろう」とケンドリックへの謝辞から始め、「N.W.A.を結成してからもう30年になる。当時はこんな名誉を授かるなんて思いもよらなかった。ただ楽しくスタジオでレコーディングしていた子供たちだったんだ。ここにいる奴らが、まだビジネスになる以前に初めてレコーディングした最初の仲間だ。想像してみてほしい。何のビジネスのしがらみもないレコーディングというものを。音楽業界にいる誰もが、音楽を作っている人間なら特に、そういった時間がいかに貴重であるか知っているはずだ。当時、俺たちに反対する人たちも多くいた。主に俺たちの言っていたことかな。分かるよ。当時、俺たちのような存在に対する心構えができていなかったんだよな。グループの名前そのものがショッキングだったし。Niggaz with Attitudes(物言うニガ)、分かるだろ? だがこの授賞こそ、証明だ。コンプトンのような場所で育つすべての子供だちにとって、なんでも実現可能なのだ、ということの証明だ」などとコメント。亡くなったイージー・Eや他のメンバー、家族などにも感謝を述べた。