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6月に新作をリリースするローラ・マヴーラ、パニック障害や夫との別離を明かす

Laura Mvula - The Dreaming Room

「ビーチ・ボーイズを歌うニーナ・シモン」と評されるなど2013年のデビュー作が母国イギリスを中心に世界的に話題になったイギリスの女性シンガー・ソングライター、ローラ・マヴーラ(Laura Mvula)が、オリジナル・スタジオ・アルバムとしては3年ぶりとなる新作『The Dreaming Room』を6月にリリースするが、新作完成までに、精神的にかなり追いつめられていたことを明かしている。

歴史あるアカペラ・グループ、ブラック・ヴォイセズ(Black Voices)のメンバーを叔母に持つローラ・マヴーラは、ニーナ・シモン(Nina Simone)と比較され、「ボイス・オブ・2013」とも評されたその歌声や、風が吹くような美しい多重コーラスに加えて、ルーマー(Rumer)などを手がけたプロデューサーのスティーヴ・ブラウン(Steve Brown)による、バート・バカラック(Burt Bacharach)やヴァン・ダイク・パークス(Van Dyke Parks)らを思わせる優美なオーケストレーションに、アフリカやルーツであるカリブの要素も取り入れた独創的なサウンドで高く評価されている。

2013年に発売したデビュー・アルバム『Sing To The Moon』は、その年最高のアルバムに贈られる英〈Mercury Prize〉の候補になったほか、〈MOBO Awards〉では最優秀女性アーティスト賞と最優秀R&B/ソウル・アーティスト賞を授賞。翌年には、世界最大級のジャズ・アンサンブル集団とも言われるオランダのメトロポール・オーケストラと共に『Sing To The Moon』を新たにレコーディングし直したライブ盤『Laura Mvula with Metropole Orkest conducted by Jules Buckley at Abbey Road Studios』をリリースしている。

最近は、米人気ジャズ・シンガーのグレゴリー・ポーター(Gregory Porter)を始め、今年2月にはスナーキー・パピー(Snarky Puppy)最新作『Family Dinner – Volume 2』、またロバート・グラスパー(Robert Glasper)がマイルス・デイヴィス(Miles Davis)&ロバート・グラスパー名義で来月発売するリメイク企画盤『Everything’s Beautiful』にもゲストとして招かれるなど、グラミー授賞アーティストから次々に声がかかる一方、2014年のアカデミー賞で3冠になった映画『それでも夜は明ける』や、昨年のスパイ映画『コードネーム U.N.C.L.E.(アンクル)』 のサウンドトラックにカバー曲、新曲を提供するなどしていたローラ・マヴーラだが、ついに『Sing To The Moon』以来の新作が完成した。

だが、その完成までには様々な苦難があったようだ。英Guardian紙のインタビューでローラ・マヴーラは、デビュー前からパニック障害に悩まされていたこと、そしてクラシック歌手の夫テンバ・マヴーラ(Themba Mvula)との別離などを明かしている。彼女は、信仰の篤いクリスチャンの家庭で厳格に育てられ、16歳まで自分でバスに乗ったことがなかったほど“箱入り”だったとか。しかし両親が離婚すると、彼らが「ドラマの中で起こるものだと思っていた」離婚を選択したことを受け止められず、心身に変調をきたすように。「最初は息切れだったわ……そしてめまい」、「徐々にいろんな形で(変調が)目に見えるようになってきたの。うまく説明できないけど。身体が痙攣し始めて、倒れると思ったり……」、「頭が爆発しそうなの。だから私は激しく頭を振り始めて、ドアを激しく叩いて。ただシャワーを浴びたいだけだったりするのに」とパニック障害に襲われるようになったという。

そして、デビュー作『Sing To The Moon』が成功する一方で、パニック障害が起こる頻度は増え、また環境が急速に変わっていくことで不安が膨らみ、部屋にひとりで居られなくなったのだとか。マネージャーにパニック障害について伝えたものの、スタッフには一切伝えられず、秘密にされたという。そのため、まだ学生だった妹のディオンヌが常に彼女のそばに付き添うようになり、夫もなるべく付いて廻ったが、ローラがさらに多忙になり、妹や夫が対応できなくなったため、パーソナル・アシスタントを雇って対処。しかし、事態はさらに悪化する。「いろんなことがあっての結果だけど……正直に言えば、私が彼を失望させたの。妻として失格だったのよ」と振り返るように、夫テンバと別離。友好的に別れたとのことだが、「赤ワインが助けになると思ったんだけど、そんなことなかったわ」とアルコールに救いを求めるようになり、重いうつを発症。現在はアルコールを断ち、アシスタントと一緒に暮らしており、うつの治療を受けながら、徐々に不安やパニック障害も受け止められるようになったという。

新作からは、ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)をゲストに迎え、ディスコ的な要素も取り入れた“Overcome”という曲がリード・シングルとして発表されているが、「困難に打ち勝つ」という意味のタイトルには、彼女の現在の心境も反映されているようだ。またアルバムには、英ラッパーのレッチ・スリー・トゥー(Wretch 32)をゲストに迎えた“People”や、来日公演でも披露していた“Let Me Fall”などが収録されている。ローラ・マヴーラのニュー・アルバム『The Dreaming Room』は、6月17日発売予定。

1. Who I Am
2. Overcome (feat. Nile Rodgers)
3. Bread
4. Lucky Man
5. Let Me Fall
6. Kiss My Feet
7. Show Me Love
8. Renaissance Moon
9. Angel
10. People (feat. Wretch 32)
11. Nan
12. Phenomenal Woman