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ケンドリック・ラマー「デモ集」を参加プロデューサーらが語る CDは今週末発売へ

Kendrick Lamar - untitled unmastered

先月の第58回グラミー賞で最多の5冠に輝いた人気ラッパー、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)が今月頭に『untitled unmastered』をサプライズ・リリースしたことが大きな話題を呼んでいるが、参加プロデューサーらの発言により、この「デモ集」の詳細が明らかになってきた。

先日のグラミー賞では、ラッパーとしては史上最多となる11ノミネートを受け、最優秀ラップ・アルバム、最優秀ラップ・ソングなど最多の5部門を授賞しただけでなく、圧巻のライブ・パフォーマンスでも魅了したケンドリック・ラマーは、米時間で3月3日(木)夜に『untitled unmastered』と題した8曲入りのアルバムをSpotifyで公開。翌4日(金)からiTunes Store等でデジタル・リリースされた。「無題・未マスタリング」とするこの作品は、グラミー賞のパフォーマンス終盤で披露したラップを始め、TV番組で披露されながらグラミー受賞作『To Pimp A Butterfly』には未収録に終わった音源が収録されており、ケンドリック自身はTwitterで「『To Pimp A Butterfly』のデモ集」と述べている。

曲名も、レコーディングした時期と見られる日付がタイトルに加えられているのみですべて無題となっており、フィーチャリング・ゲストなどプロデューサーやミュージシャンなど参加メンバーが不詳のままリリースされているため、誤情報なども伝わっているが、TwitterなどのSNSでの発信や、米Billboard誌やComplexのインタビュー記事などで徐々に詳細が明らかになってきた。

シーロー・グリーン(CeeLo Green)がボーカルで参加した6曲目“untitled 06 l 06.30.2014.”は、元々はエイドリアン・ヤング(Adrian Younge)が、ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)のアリ・シャヒード(Ali Shaheed Muhammad)と制作中のコラボレーション・アルバム『The Midnight Hour』のために作られたトラックだという。数年前に『The Midnight Hour』の参加アーティストを探している際に、同曲のデモを気に入ったシーローがレコーディング。シーローはこの曲を“Question Marks”と呼んでいたという。その後、まだ未完成の状態だったもののこれを気に入ったケンドリックが、「この曲が必要だ」と言ってラップを加え、“untitled 06”になったのだとか。

さらに、“untitled 06”のシーローの録音はまだ未完成の状態のものだが、『The Midnight Hour』用にシーローが録音した最終バージョンも別に存在しているとのこと。この最終バージョンは、シーローのボーカルがさらに増え、またサビも違うものになっており、「完全に別の曲」に仕上がっているとか。エイドリアン・ヤングとアリ・シャヒードのコラボ作『The Midnight Hour』は年内にリリース予定とのこと。また、エイドリアン・ヤングとアリ・シャヒードは、「まだ発表できない」TVシリーズの音楽を担当しており、ミゲル・アトウッド・ファーガソン(Miguel Atwood-Ferguson)によるフル・オーケストラで録音しているとか。

『To Pimp A Butterfly』に大きく関わり、グラミーのステージにも一緒に立ったヒップホップ・プロデューサーでジャズ・サックス奏者のテラス・マーティン(Terrace Martin)は、『untitled unmastered』について、事前にリリースをする考えがあることは聞かされていたものの、いつ発表するかは知らされておらず、リリース後に話題になっていることで知ったのだという。また、このプロジェクトの音源は、カマシ・ワシントン(Kamasi Washington)やロバート・グラスパー(Robert Glasper)が参加する前に録音されたもので、グラスパー自身も自分の演奏だと思うとしていた5曲目“untitled 05 l 09.21.2014.”の鍵盤は、実はテラス・マーティンによるものだとか。「“untitled 05”ではサックスを吹いて、コ・プロデュースもして、ピアノも弾いている。ロバート・グラスパーは多くの曲で弾いたから、俺も彼も、あの曲は彼の演奏だと思ってたんだ。でもケンドリックから、『違う、あれはお前のピアノだよ。あの夜は酔っぱらってただろ』って言われて思い出したよ」と振り返っている。

またテラス・マーティンは、4曲目“untitled 04 l 08.14.2014.”について、『To Pimp A Butterfly』収録の“For Free?”と同じ週に作った曲で、なぜ未収録になったか分からないとコメント。さらにアリシア・キーズ(Alicia Keys)とスウィズ・ビーツ(Kasseem “Swizz Beatz” Dean)の5歳になる息子イージプト(Egypt Dean)が7曲目“untitled 07 l 2014 – 2016”のプロデュースに関わったことについて、「この『untitled…』での最高のプロデューサーが誰か教えてあげようか。スウィズ・ビーツの息子、イージプトだ。あの子は誰よりもビッグになるだろう」とその才能を讃え、「最初(スウィズの)Instagramを見たとき、『これはジョーク?』と思ったけど、アリシアがInstagramで書いたことを呼んで、泣いちゃったよ」と振り返っている。

8分以上ある“untitled 07”は三部構成となっており、以前から“Levitate”というタイトルで存在していたという前半部分を、2曲目の“untitled 02 l 06.23.2014.”も手がけているカードー(Cardo)がプロデュース。新たに加わった中盤にエジプトが関わったという。『To Pimp A Butterfly』でグラミー授賞曲“Alright”を始め多くを手がけ、ケンドリックが所属するTDEが抱えるプロデューサー陣のひとり、サウンウェイヴ(Sounwave)は、「最初にスウィズがInstagramに載せた動画を覚えているよ。彼の息子がビートを作っている動画で、キャプションに“ケンドリックのビートを制作中”ってあった。5歳がこんなクレイジーなビートを作ってるなんて仰天したよ。それでケンドリックに動画を送ったら、『スウィズはもう全部の映像を送ってくれてるよ。それで、そのビートを俺に送ってくれ、って伝えたんだ』って言ってたよ。あの子は天才になるね。あんなのは見たことがない、5歳がコードを弾いたりビートも作ったりするなんて」と説明。さらにサウンウェイヴは、「まだみんなが聞いたことのない曲もある。大体は、サンプリングの許諾を得られてないから未発表になっているやつだ」と述べ、さらなるリリースの可能性を示唆している。

なお米Billboard誌によれば、このケンドリック・ラマー『untitled unmastered』はデジタル配信のみでおよそ13万枚から14万枚ほどのセールスが予想されており、来週の全米チャートで初登場1位が期待されるとのこと。また、今週11日にCD盤が発売予定としている。TDEのCEOによれば、レコードでの発売も予定しているとのこと。