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ロビン・シック、「ブラード・ラインズ」裁判敗訴に「納得できないから控訴するんだ」

Robin Thicke

ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)がプロデュースした“Blurred Lines”が2013年夏に12週に渡って全米チャート1位を独占するなど世界的ヒットを記録したものの、今年3月にマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の曲の著作権を侵害しているとの判決が下ったR&Bシンガー/プロデューサーのロビン・シック(Robin Thicke)が、この裁判の結果について初めて口を開いた。

洗練されたソウル・ミュージックを聞かせることでR&Bファンに人気のロビン・シックだが、2013年に所属レーベル StarTrakのボスでもあるファレルがプロデュースを手がけ、人気ラッパーのT.I.が参加した“Blurred Lines”が大ヒット。女性の胸があらわになる過激なミュージック・ビデオがすぐにYouTube側から削除され、再編集バージョンに改められるなどの騒動だけでなく、マーヴィン・ゲイの“Got To Give It Up”を想起させる音楽そのものも高く評価され、全米チャートで12週1位を獲得するなど世界的なヒットとなり、2013年を代表する曲となった。

しかし故マーヴィン・ゲイの著作権を持つマーヴィン・ゲイの遺族が、“Got To Give It Up”を無断で盗用しているとして提訴。ファレルやロビン・シック側は「著作権者の権利は譜面上に書かれているものだけに限定される」という過去の判例を元に、“フィーリング”が同じである、似たように“聞こえる”というのは著作権侵害にはあたらないとの主張をしていたが、3月上旬、“Blurred Lines”は著作権侵害を犯していると陪審員が裁定し、ロビン・シック並びにファレルたちは敗訴となった。

この結果は、「似たように聞こえるとか感じるというだけで著作権を侵害するに足るのか」といった声もあがるなど大きな反響を呼び、議論の的に。ファレルも、「音楽にとって恐ろしい前例となり、クリエイティビティは後退することになるでしょう」とこの裁定に警鐘を鳴らした。また、裁判の経緯も疑問視されており、ファレルは「陪審員は感情によって判断し、決して実際の論点、すなわち著作権侵害かどうかということで判断していなかった」とも語っており、実際にロビン・シック、ファレル側の弁護士が再審理請求に動いていることが明らかになっている。

ファレルはこのように裁判後も度々発言し、「盗作ではない」と正当性を主張していたが、先日、ロビン・シックが裁判後初めてこの敗訴について口を開いた。New York Times紙の取材に応じたロビン・シックは、敗訴になったことについて「驚いた。とても驚いたよ。だからこそ我々は控訴しようとしているんだ。インスパイアされることと盗作することの違いは分かっている。常にインスパイアはされてきたけど、これまで決して盗んだことはない。ファレルだって同じだ」と語り、改めて敗訴に納得がいかない旨をコメントした。

ロビン・シックは、2013年のヒット中に“Blurred Lines”について「“Got To Give It Up”を意識した」との発言を様々なメディアに残したものの、裁判中にこれについて追及された際に、「私はあの年、ドラッグやアルコールの問題を抱えていた」と正常ではなかったとし、「曲を売るために」虚偽を語っていたと当時の発言を翻すような証言をしたことが敗因のひとつと指摘されており、ゲイ側の弁護士が陪審員に対し「自分が正直な人間でないと主張したロビン・シックをあなたは信じますか?」と訴えかける結果となった。これについてロビン・シックは、「ちょうど妻と離れて2週間後のことで、精神的に地獄のような状態だったんだ」と弁解し、当時の自分を「不注意だった」と表現。「明らかに、裁判に全力を注げていなかった。プライベートで起こっていることのほうが自分にとっては重大だったんだ。あの頃は迷子みたいなものだったんだよ。どうすればいいのか分からなかった」と振り返っている。

また、裁判では2011年にリリースした『Love After War』のリード・シングル“Love After War”についても、マーヴィン・ゲイの“After The Dance”を無断で借用していると責められたが、「まったく違う。まったく似ていない」と否定。一方で、2015年の上半期最大のヒットとなったマーク・ロンソン(Mark Ronson)とブルーノ・マーズ(Bruno Mars)の“Uptown Funk”が、ギャップ・バンド(The Gap Band)の79年ヒット“Oops Up Side Your Head”を引用しているという主張を受けて同曲の作者5名を新たに“Uptown Funk”のソングライターとしてクレジットすることになった問題については、「両方の曲を同じタイムで歌えるし、同じ音、同じ抑揚で歌える。明らかに同じだ。だからあれは非常に公平な決定だと思っている」とコメント。同様に、サム・スミス(Sam Smith)の2014年の大ヒット“Stay With Me”のメロディがトム・ペティ(Tom Petty)の89年ヒット“I Won’t Back Down”を盗用していると訴えられ、ロイヤリティの一部をトム・ペティ側に譲ることで合意した件についても、「さっきと同じ、この2曲は同じだ。音もタイム感もリズムも一緒」と話している。

だが、控訴に動いているとはいえ、“Blurred Lines”での敗訴を無視することはできなかったようで、ロビン・シックは先日発表した最新シングル“Morning Sun”では、影響を受けたバリー・ホワイト(Barry White)の名前もソングライターとしてクレジット。「狙われているから、ここ1年はうちのチームは非常に注意深くなっているんだ。それから、自分にとってのアイドルがまたあんな状況に置かれるようなことは二度とあってはならないと思って」と説明している。

なおロビン・シックは、16歳の頃から交際し、10年以上の交際を経て2005年に結婚した女優ポーラ・パットンから2014年2月に離婚を求められ、これを受けてポーラの名前を冠した新作『Paula』を急きょ制作し、同年5月に開催された〈Billboard Music Awards〉では、「帰ってきてほしい」と歌う“Get Her Back”をパフォーマンス。同6月の〈BET Awards〉でも“Forever Love”を歌ったが、「あのパフォーマンスは彼女に捧げたものだった。でも家に帰ると、20年来の友人から連絡があって、『正直に言うと、自己満足に浸ってるみたいに見えた』と言われて、打ちのめされたよ。ロマンティックだと思ってやったことが、ただ恥ずかしいことだったなんて」とコメント。その友人からの意見で、しばらく休養することに決めたのだとか。ちなみにポーラ・パットンとは、“Blurred Lines”裁判の敗訴直後に正式に離婚が成立した。

>> 続報: “Blurred Lines”の著作権収入について50%をマーヴィン・ゲイ遺族側が受け取ることに(2015.7.19.)