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丸屋九兵衛が語る、DJクイックとMCエイトのビーフ騒動

HouseRedSquare

90年代前半というと「ヒップホップ東西抗争」ばかりが語られるが、本当に熱かったのはむしろ地域内抗争。ウェストコースト好き(特にコンプトン派)が固唾を呑んで見守ったのが、この対立だ!

 

事の発端は、MCエイトが、曲中で使った「クイック」という単語を、DJクイックが自分へのディスと勘違いしたこと(異説あり)。そんな誤解から生まれた二人の対立は、西海岸ヒップホップの黄金期を彩る、忘れがたい悪口キャッチボールとなった。

DJクイック「スペルが苦手なエイトは自分の名前をE-I-H-Tと書く。Gが抜けてる理由は、ギャングスタじゃないから!

MCエイト「お前みたいなパチモンは、フィリー・ブラントみたいにクルクル簀巻きにしたる!

※クイックの名もQuikであり、「お前もスペルが苦手だろ!」と言われても反論ができないところ。しかしエイトは男らしく些細なことは無視して「しばいたる!」「どついたる!」を連発するのだった。

最高なのは二人の入れ込みよう。90年代に彼らが出したアルバムでは、ほぼ全作に互いへのディス曲が! 特にMCエイトはDJクイックをディスするためだけに作った曲をシリーズ化。映画『狼よさらば』シリーズの原題(『Death Wish』)に引っ掛け、“Def Wish”と名付けるのだった……

そんなヒップホップ界の名物「ビーフ」(悪口合戦)を語るために新トークライブ・シリーズ〈HOUSE OF BEEF〉が、2月12日(月・振替休日)に開催される。

揶揄! 口論! 誹謗中傷! 今も昔もラッパーの喧嘩はシーンの華。暴力の応酬を阻止しつつも、勝負をハッキリつける代替手段として生まれた(という側面もある)のが、ヒップホップというカルチャーである。だからこそ、ヒップホップの諸要素は、勝負の側面、コンペティション色が強いものなのだ。

ラッパーとラッパーが、時には超絶ライミング技巧を駆使して、時には感情に走った貧弱語彙のみを連発して、互いを中傷し合う微笑ましい風景……嗚呼、それは真にヒップホップ界の風物詩なのである(時おり実際の暴力に発展してしまうのが残念でならないが)。そもそも、ラップの源流の一つは——ジョージ・クリントン師匠が「ゲットーを生きるための基礎の基礎」と呼んだ——持てるウィットを総動員して、互いに相手の母親をけなし合う知恵比べ話芸対決「ダズン(dozens)」。そんな「悪口の芸術」「かがやく英語の悪態」の一形態としてのビーフをこよなく愛するのが、本人も折に触れて舌禍を経験してきたQBこと丸屋九兵衛である。

時は折しも2月、黒人歴史月間。そのQBが、自らの金色の脳細胞に蓄えてきたビーフ・ヒストリーから、とっておきのビーフ秘話を披露するために始めるのが、このトークライブ〈HOUSE OF BEEF〉シリーズなのだ。QBが掘り返すヒップホップ・ビーフ史の名場面・珍場面。2月12日(月・振替休日)の午後、初心者も有識者も共に追体験してみないか?!

HOUSE OF BEEF vol.1
日時:2018年2月12日(月・振替休日)開場13:30/開演14:00(終演16:00予定)
会場:エキサイトカフェ(東京都港区南麻布3-20-1 Daiwa麻布テラス4F)
価格:¥2,000(税込)
※終演後、丸屋九兵衛がみずから入れる「紅茶会」とのセットで¥3,000(税込)