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[live report] デビュー20周年のエリカ・バドゥ来日ツアー、公演初日レポート

Erykah Badu - Photo by Nasanori Naruse

昨日10月1日(日)から単独公演としてはおよそ7年半ぶりとなる来日公演をスタートさせたエリカ・バドゥ。初日公演@ビルボードライブ東京のその興奮のライブ・レポートをお届けする。

なお公演は3日(火)6日(金)12日(木)に六本木のビルボードライブ東京で、10月9日(月・祝)と10日(火)に梅田のビルボードライブ大阪にて開催される。

Photo by Masanori Naruse
Photo by Masanori Naruse

衝撃のデビュー作『Baduizm』から20年を迎えるエリカ・バドゥの記念すべき日本ツアーがスタートした。通常であれば1日2ステージ行われるビルボード・ライブで1ステージのみということからもプレミアム・ライブであることが窺えるが、一切力を抜くところのない熱量あふれるパフォーマンスを目の当たりにしたいまなら、1ステージしか「やらない」のではなく、肉体的にも精神的にも日に2回は「出来ない」のだと理解出来る。言葉通り全身全霊で臨む彼女に、一瞬たりとも目を離す隙はない。

電話のビープ音が幕開けを知らせると、まずは主役抜きのバンドが“Caint Use My Phone”を奏で始めた。エリカがデジタル配信でリリース(限定でアナログあり)した最新作の冒頭曲であり、ますます進化を続ける彼女を象徴するプレリュードでもある。同じ作品からはアッシャーの“U Don’t Have To Call”やトッド・ラングレンの“Hello It’s Me”のカヴァーを取り上げるなど(後者はアンドレ3000のパートはないエリカ独唱版として)、今回のライブがドレイク以降のモードに対応した最新型のエリカであることを印象付けていた。

しかし、なにより印象的だったのはファンクネスである。繭のようなもこもこした黄色い厚手の織物に包まれて登場したエリカのいでたちからしてPファンク軍団率いるジョージ・クリントンを思わせるところがあるというだけでなく、彼女は身振り手振りでバンドを自在に制御してグルーヴの渦を作り上げていく。ステージ中央に大きく陣取られたエリカのスペースには彼女が好んでプレイする電子パーカッションなどの楽器が置かれ、曲間に叩いてTR-808のエレクトロ・サウンドを打ち鳴らすと、それをグルーヴのとっかかりにして演奏がスタートする。

RC・ウィリアムズをミュージカル・ディレクターに置くバンドは、スタンリー・クラークやデリック・ホッジなどと共演しているドラマーのマイク・ミッチェル(ブラック・ダイナマイト)、エリカとは『Mama’s Gun』からの長い付き合いとなるベーシストのブレイロン・レーシー、そしてファンキー・ナックルズのメンバーでもあるパーカッションのフランク・モカといった、RC&ザ・グリッツのメンバーもしくは周辺のミュージシャン、つまりはエリカのホームであるダラスの腕利きたち。彼らのビートがともかくパワフルで、なおかつ最高に泥臭い。グルーヴがうねりとなって体を突き動かすという経験はこうした音楽のリスナーであれば誰しも身に覚えがあると思うが、ここまでのグルーヴはそうあるものではない。正直、彼女のステージでここまでファンクで圧倒されるとはうれしい驚きだった。

エリカはそうしたバンドの音圧をものともせずに、チャカ・カーンばりの鋭さで空高く突き抜けるように高音をパーンと張って見せ、圧倒的な歌力でヴォーカルが主役であることを知らしめる。そこに喉の調子を探るような躊躇はない。この声を聴くためにいま自分はここにいるのだと実感させるだけの価値ある歌だ。一方で『Baduizm』時代の名曲“Next Lifetime”での囁きもある。そのダイナミクスたるや! こうして思い出しているだけで鳥肌が立ちそうだ。

舞台の心得のある彼女ゆえ演出も凝っている。空から降り注ぐ四角錐型の照明が彼女を取り巻きながら回転し、背景にはアフリカの伝統的舞踏や生物・無機物の動きを再生・逆再生するイメージ映像が投射され、エリカはエネルギーを四方八方に放つようなポーズを取ればそれに合わせて効果音が入る。宗教儀礼にも似たそのステージングもまた魅力的だ。終わりしなに彼女は手と手を合わせてオーディエンスに大きく礼をし、演奏のラストを完璧にコントロールしてステージ袖へと消えていった。そういえば、彼女の持つレーベルはコントロール・フリークという。その完璧すぎるコントロールが吉と出た極上のステージ。今後何十年も頭から離れなくなりそうな印象深い舞台だった。(文:荘 治虫)

「エリカ・バドゥ来日公演」
■ ビルボードライブ東京公演
日時:
2017年10月1日(日)開場17:30 開演19:00
2017年10月3日(火)6日(金)12日(木)開場18:30 開演20:00
価格:サービスエリア 43,000円/カジュアルエリア 33,000円
※本公演は1日1ショーの特別営業時間公演となります

■ ビルボードライブ大阪公演
日時:
2017年10月9日(月・祝)、10日(火)開場17:30 開演19:00
価格:
サービスエリア 43,000円(ディナーセット+グラスシャンパン付)
カジュアルエリア 38,000円(グラスシャンパン付)
※本公演は1日1ショーの特別営業時間公演となります

■ 〈MTV presents SOUL CAMP
日時:2017年10月7日(土)~8日(日)OPEN 13:00/START 14:00(予定)
会場:豊洲PIT / MIFA Football Park
出演者:
10月7日 Erykah Badu, Roy Ayers, Brand Nubian, Showbiz & A.G., DJ Spinna
10月8日 De La Soul, Faith Evans, Big Daddy Kane & Kool G Rap, Black Sheep, Knxwledge
and more!

チケット:
1日券・一般チケット 13,000円(税込) /1日券・小中学生チケット 3,000円(税込)
2日通し券・一般チケット 23,000円(税込) /2日通し券・小中学生チケット 5,000円(税込)
・オールスタンディング、整理番号付
・入場時、別途1ドリンク代¥500(各日)必要
・未就学児に関しては、保護者同伴に限り入場無料
・出演アーティスト変更による払戻しは致しません
・雨天決行