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bmr>HOTSPOT>[tweets] ディアンジェロ『Black Messiah』への理解を深める「12 days of D’Angelo」まとめ

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[tweets] ディアンジェロ『Black Messiah』への理解を深める「12 days of D’Angelo」まとめ

DAngelo, Q-Tip and Ben Kane in Black Messiah sessions

ディアンジェロ15年ぶり新作『Black Messiah』、いよいよ国内盤が2月4日、レコードが5000枚限定(らしい)で2月10日に発売(予定)。1月31日にはSNLに初登場!ということで、ここで、昨年のことになりますが『Black Messiah』のアナウンス直後から「12 days of D’Angelo」と題してこのアルバムについて書かれた一連のツイートをご紹介。書いたのは、ラッセル・エレヴァドと共に『Black Messiah』のエンジニアを務めたベン・ケイン。ざっくり訳とアルバム(→ 全曲フル試聴)と共にお楽しみ下さい。

なおFunk-Uのインタビューによれば、彼は元々2003年からElectric Lady Studiosでインターンとして働きはじめ、その後同スタジオのハウス・エンジニアとなり、今回ラッセル・エレヴァドのメイン・アシスタントとして『Black Messiah』に関わることになったそう。今後の予定では、クリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズのフル・アルバムやエミリー・キングの新作に携わっているそうです。

(1) “Ain’t That Easy”

この曲のベーシックは、今は閉鎖されたカリフォルニア州サウサリートのレコード・プラント・スタジオ(プリンス『For You』なども録音された)で元々はレコーデイングされたもの。
ドラムループから始まり、すぐにギターをサンプルしたループで肉付けされていった。ギターのループは最終的には音を小さくしているが、聞き取れる。
D自身が弾く素晴らしいギターによって出来上がった。そこにアイゼイア・シャーキーもギターを足した。
ケンドラ・フォスター、アレール・ラムジー、ジャーメイン・ホームズの歌声を聴くことになる。ヴァンガーズのバックボーカリストたち!
おっと、ワンアンドオンリー、ジェイムス・ギャドソンのドラムを忘れちゃならない。レジェンダリー! 他にも数曲で彼のプレイを聞くことになる。
言うまでもなくピノ・パラディーノのベースは素晴らしいし、ジェシー・ジョンソンがギター・ソロを終盤に聞かせる。

(2) “1000 Deaths”

この曲の一番ラフな形は、自分が参加する前からあった。
以前に一度Dに言われたのは、フィッシュボーンのコンサートに参加してすぐにインスパイアされて書いたんだそう。
冒頭のサンプルについて話そう。「black revolutionary messiah」のサンプルは、カリード・ムハマド師のもの。VHSからサンプリングしたものだ。
もうひとつのサンプルはこの映画から取ってきた。『The Murder of Fred Hampton』(※警察によって射殺されたブラックパンサー党のフレッド・ハンプトンのドキュメンタリー)。彼の重要な発言を綴ろう……
「黒人は平和を必要とし、白人も平和を必要としている。それ故に我々は闘わなくてはならなくなり、平和をもたらすために容赦ない闘争となっていくだろう。なぜならば、平和を要求している人というのは、誇大妄想癖のある戦争屋であり、平和の意味を理解してすらいない」
この発言は、我々の政府を操っている“無人のオペレーター”たちのことを思い起こさせる。「平和を求めるために、無知な市民を中東に派遣しようというのか?」 言いたいことは分かるだろう……?
さて、この曲はディアンジェロが全てを演奏している。ドラムだけクエストラブ。ドラムは(ニューヨークのスタジオ)MSRでここ3年でレコーディングしたものだ。
曲そのものの誕生(2002年かな?)など、これ以上のことはラッセル・エレヴァドなりクエストラブから話してもらわなくちゃね。

(3) “The Charade”

この曲はこのアルバムの中でも好きな曲のひとつ。
この曲ではDがギターとキーボード。クエストラブが素晴らしいドラムを披露している。最高のコラボレーション。
ピノ・パラディーノのベースが勲章もの! サビの素晴らしいコード。最後までとてもメロディアスだ。
ピノについてさらに言うと、彼のベースがこの曲をまとめた。接着剤だよ。この曲をドライブさせ、そしてハーモニックな要素をたくさん加えた。
ピノはエレクトリック・シタールでも参加している。それからアイゼイア・シャーキーとジェシー・ジョンソンがギターを加えたんだ。
自分にとっては、バックコーラスと歌詞の共作者であるケンドラ・フォスターとDのコラボで今のところ最高の曲。
個人的な意見では、アルバムの中でこの曲がもっとも政治的に辛らつなことを歌っていると思う。最後に発表された、抗議で闘っている人たちの観点から歌われた曲は何だった?
どこかで全部説明するだろうけど……僕は「ウォール街を占拠せよ」に参加していたから、あの時Dの頭にあったことが書かれたこの曲の手助けができたのは幸せだったよ。

(4) “Sugah Daddy”

この曲は、(ラファエル・サディークがノースハリウッドに所有する)Blakeslee Studiosで、ある日の午前4時からセッションが始まった。D、ピノ・パラディーノ、ジェイムス・ギャドソンが小さいスタジオルームでジャムって、自分はスタジオルームの外側からそれを見ていた。
この世でもっともファンキーな人間のひとり、ジェイムス・ギャドソンがドラムをキックして、腿を叩くボディパーカッションをやった。腿を叩くだけでも超ファンキー。
その日の夜に、D、ピノ、ギャドソン、そして(Dのパーソナル・アシスタントの)マルコム・フェルナンド・キーが集まってマイクに向かって全員でクラップしたんだ。
その後にQティップがやってきて、ディアンジェロと歌詞を共作したんだ。ケンドラ・フォスターもそれから後に加わった。
Dとアイゼイア・シャーキーが後日ギターを加えた。
それから、Dと音楽的に本当にマジカルに繋がっているロイ・ハーグローヴ。彼のパートはまったく苦労しなかった。次から次にワンテイクで決めてた!

(5) “Really Love”

この曲についてはいくつか誤解があるようだ。
この曲はかなり古い曲だから、誕生秘話はラッセル・エレヴァドが話すべきだね。
でも完成版については、僕らで完成させ、アップデートさせたと思いたい。
『Voodoo』の直後にこの曲はさかのぼる。当時はクエストラブがドラムだった。それも素晴らしかったけど。
今のバージョンは、ジェイムス・ギャドソンがレジェンダリーなプレイをまた披露してくれている。
ギャドソンのドラムは、雲の上にいるかのような心地にしてくれる……そしてそれがこの曲で必要なものだったんだ。彼の右足に並ぶものはないね。
もちろんピノ・パラディーノがウォーキングベースで決めてくれている。それからディアンジェロがほとんどのギターをプレイしているよ。
冒頭と終盤ではマーク・ハモンドが素晴らしいスパニッシュギターのソロを演奏している。彼のプレイがイントロのムードを決定付けた!
ブレント・フィッシャーの最高のストリングス・アレンジにも賞賛を。このアレンジがこの曲をまた変貌させた。
(ラッセル・エレヴァドからの補足):『Voodoo』の後にディアンジェロが最初に書いた曲が“Really Love”だよ。

side A to side B

これにてA面は終了。針を上げてB面の1曲目に備えよう。
D、ラッセル・エレヴァド、それから僕はみんなバイナル・ヘッズだ。スタジオでもしょっちゅうレコードを回してる。
僕らはアルバムを、関連のないシングル曲の寄せ集めみたいに考えていない。アーティスティックな作品だ。今回でいえば、2つの「サイド」を持った作品。
『Black Messiah』では、“Really Love”の後にひと息吐いて、“Back To The Future”で新しく始まる(レコードを裏返してね)。
こうしたのは意図的。バイナルではちょうどここで分かれることになる。

(6) “Back To The Future (Part 1)”

さて。この曲も、古くからあって長いことかかっていた曲のひとつ。
ベーシック部分は、ディアンジェロが鍵盤、ギターを弾き、プログラミングもして出来ていた。
この曲のグルーヴは、クエストラブのドラムとピノ・パラディーノのベース。クラシックなディアンジェロのベース/ドラムのドリームチームに“バック”したわけだ。
さらなるギターは、晩年の、そしてとにかく最高なスパンキー・アルフォードによるもの!(※2008年に逝去)

(7) “Till It’s Done (Tutu)”

この曲は、D、クエストラブ、ピノ・パラディーノのジャムセッションから生まれた。仮詞のときはただ“TUTU”ってタイトルだった。
後でケンドラ・フォスターとディアンジェロが最高の歌詞を書き上げた。素晴らしいケンドラ・フォスターに今一度、賞賛を。
この曲は戦争や環境汚染なんかについての曲だが……、むしろ我々のリアクションや、どう生活していくべきかという問いについての曲だ。素晴らしい歌詞だよ。
この曲ですべてのギターを演奏しているアイゼイア・シャーキーは、このアルバムに多くの貢献をしている。彼のパフォーマンスは大好きだ。

(8) “Prayer”

個人的に好きな曲のひとつだ。
ベーシックは、Dのホームスタジオで作られた。今でも聞くことのできるこの曲のコアは、美しい曲の構成。ギター、キーボード、ベース、プログラミング。
もちろんベースはピノ・パラディーノによるもの。アディショナル・ギターと最後のギター・ソロはジェシー・ジョンソンだ。
ハンドクラップ! ディアンジェロは僕に2週間、彼のクラップのサウンドに付き合わせた。苦労の甲斐があったと思うよ。徹底すること。
それから、クリス・デイヴがやってきて、この曲のためにHenson Recording Studiosでドラムを叩いた。彼にしかできないプレイでね。
ちなみに、僕がエンジニアリング、ミックスを担当したクリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズのフル・アルバムが2015年に出るからお楽しみに。

(9) “Betray My Heart”

この曲もまた、長いことかかった曲だ。
この曲は完全にDひとりが書いた楽曲。なんて美しくてタイムレスな歌詞だろう。
ドラムはクエストラブ、ベースはピノ・パラディーノ、ギターにスパンキー・アルフォード、そしてローズピアノがディアンジェロ。
この曲にも参加したロイ・ハーグローヴにビッグシャウトを! ロイのホーン・アレンジは大好きだ。

(10) “The Door”

この曲で聞こえるほとんどは、ディアンジェロと一夜でレコーディングした。
ジェシー・ジョンソンのスライドギターをのぞけば、ギター、ハンドクラップ、ボーカル、足のストンプ、パーカッション、ベースなど全てがDによるものだ。

(11) “Back To The Future (Part 2)”

“Back To The Future (Part 1)”と“Back To The Future (Part 2)”は元々は長尺の1曲を、アルバムのために2つに分けたもの。
パート1とパート2のストリングスのサウンドについても言及しよう。あれはすべてDが演奏したものだ。

(12) “Another Life”

まず、ラッセル・エレヴァドがBillboardに話したことを引用しよう。「この曲が生まれた経緯はとてもマジカルだった。文字どおり、どこからともなく生まれた。ある晩に」
この曲もまたドラムはクエストラブ。
そしてベースはピノ・パラディーノ。この曲のベースは何度も聴いていられる。実際にそうしたけど。
オリジナルがレコーディングされた後にDは、ピノにもう一度レコーディングをお願いしたんだ。ライブで聞かせるような新しいヴァイブをワンテイクでって。
それでロンドンにいたピノは、誰も想像できないような最高にユニークで素晴らしいベースの演奏を送ってくれた。ぶっ飛んだよ!
最終的に、新しい演奏とオリジナルの演奏を組み合わせたんだ。
ピアノ/鍵盤、エレクトリックシタールの演奏はすべてディアンジェロ。
アイゼイア・シャーキーがギターがで素晴らしい仕事をした。
ヴァンガードのギターセクションの残り半分を担当したのはジェシー・ジョンソン。ジェシー・ジョンソンとアイゼイア・シャーキーのふたりがツアーでヤバい演奏を聞かせるのをお待ちあれ。
この曲にも参加したヴァンガードのシンガーたちにも賞賛を。アレール・ラムジー、ジャーメイン・ホームズ、ケンドラ・フォスター。
アレール、ジャーメイン、ケンドラの3人がDと美しい歌声を聞かせている。歌詞を共作したケンドラ・フォスターに大きなシャウトを。
いくつかの記事がこの曲の着想元を言及していて、どれも自分には想像しなかったものだったけど。僕の耳には、フィリーソウルの延長線にある曲に聞こえるね!