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STANCE special / サウス・ヒップホップの伝説、アウトキャストがソックスに

“魅せるソックス”で人気のSTANCEは、ヒップホップ・カルチャーへの激しいリスペクトで知られるソックス・ブランド。そのSTANCEが今シーズンに発売したのは、アウトキャストの傑作アルバム『Stankonia』をモチーフとした逸品だ。

文/丸屋九兵衛(bmr)

 70年代の古典的ブラックスプロイテーション映画『スーパーフライ』は、ニューヨーク・ハーレムのドラッグディーラーが主人公だった。
 では、この6月に本国公開される2018年リメイク版『スーパーフライ』の舞台はどこだ?
 アトランタだ。

 このことからもわかる通り、90年代からこのかた、USブラック・カルチャーにとって首都の一つであり続けているのがATLことジョージア州アトランタ。だが、ATLをそこまでステップ・アップさせたのは誰だったろう? 特に同地を、ラップ・マップ上で看過できない巨大ヒップホップ都市としたのは?
 もちろんクリス・クロスとアレステッド・ディヴェロップメントのインパクトは大きかった。
 しかし、アトランタ産ヒップホップの本格開花は、やはりアウトキャストの登場以降ではないか。

 95年にデビューしたアウトキャスト――ビッグ・ボーイとアンドレ3000の2人組――は、奇妙なアーティストである。アトランタ・ヒップホップ・シーンを代表するペアでありながら、メインストリームからの逸脱ぶりも目立つのだ。
 まず、二人の個性のコントラストが尋常ではない。英語圏メディアによると、キャラクター的には“the player”であるビッグ・ボーイは、クルマ好きでイヌ好き、ピッドブルのブリーダーも兼業しているビジネスマン。我々外野が考える「ステレオタイプな米黒人男性」像を地で行く男、とも言える。最近ではスーツ姿でのメディア登場も多いが、かつてはTシャツやベースボール・ジャージなど、いわゆる「ヒップホップらしい」ファッションを好んでいた。
 一方、"the poet”と形容されるアンドレ3000は、菜食を主とする文学青年(いや、今は40代)で、趣味は絵画。デビューした頃こそアトランタ・ブレーブスのユニフォーム姿で普通だったものの、その後は、ターバン風のかぶりものに始まり、金髪おかっぱカツラ等にエスカレートしていく。やがて、ジミ・ヘンドリックス系の軍服、キルト(スカート)、さらには野球キャッチャー用上半身プロテクター、アメフト用(?)肩&胸プロテクター、股間プロテクター等々、「もはや服ではない」というレベルに到達。ああ、エジプトのファラオふう半裸を披露したこともあったっけ。

 そんなアウトキャストは、「本当の意味で全きヒップホップ・デュオとして活躍していたのは、アルバム単位で数えるとわずか4枚でしかない」という点でも、やはり異常である。
 その「フル活動期」の最終作が00年の『Stankonia』だった。ヒットの規模で言えば、続く2枚組『Speakerboxxx/The Love Below』の方が大きいし、そのあとにも『Idlewild』が出ている。しかし『Speakerboxxx/The Love Below』は名義こそアウトキャストだが、実際は各自のソロアルバム1枚ずつを組み合わせ、ダブル・アルバムとしたものだった。そして、次の『Idlewild』は同名映画に紐付いたアルバムだ。純粋な「サウンドトラック」ではないにせよ。
 そして、レコーディング・アーティストとしての彼らは、その後に活動休止状態となっている。2014年から、散発的にライブ活動を行なってはいるが。

 最近、「僕は“Hey Ya!”でアウトキャストを知りました」と言う人が多くて驚くことがままある。と同時に、同曲を生んだアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』の浸透ぶりを思い知らされるのだ。
 だが、その『Speakerboxxx/The Love Below』ではなく、「ラップ・デュオだった頃のアウトキャスト」の最高到達点が『Stankonia』。彼らのソックスを作るにあたって、この傑作をモチーフに選んだSTANCEのセンスは素晴らしい。そんなSTANCEに、激しい同意と新たな敬意を捧げたいと思う。



OUTKAST
\ 2,700(税抜)
COLOR: BLACK
SIZE: メンズL 25.5-29.0cm

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