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BILLBOARD LIVE 10th Anniversary / ビルボードライブ10周年記念 特別座談会

数々のアーティストの来日公演を開催し、我々アーバン・ミュージックの愛好家にもおなじみのビルボードライブ。すでに2017年下半期もエリカ・バドゥ、フェイス・エヴァンス、ベイビーフェイス、テラス・マーティン、マセーゴなど楽しみな公演が目白押しのビルボードライブは、今年で開業10周年を迎える。これを記念して、bmrの新旧編集部員が再び集結し、「ブラックミュージック・シーンを牽引するライブレストラン」が築いてきた10年間を振り返る特別座談会を行った。

座談会/荘 治虫、金子穂積、丸屋九兵衛、末崎裕之 構成/bmr編集部

R&Bの興業に関して、ビルボードライブの貢献度は計り知れない

末崎「これまでビルボードライブで公演したアーティストと公演数の2017年5月時点のリストがこちらです。R&B~ヒップホップ系でまとめてみました」

丸屋「スタイリスティックスが圧倒的に1位(全228公演)で、ジョーが次いで2位(全150公演)か」

荘「ジョーより遥かにスタイリスティックスの公演数が多いというのが、けっこう衝撃的ですね。さすが大ヴェテラン!」

末崎「また、ジョーに次ぐのは、スリー・ディグリースよりもチャカ・カーンというのも面白いですね」

金子「しかし、こんなにアーティストが来日してるっていうのに改めてびっくりですね」

荘「圧倒的な数ですよね。特に歌モノ、R&Bに関してはすごい数を呼んでますよね。やはりR&Bの興業に関してはビルボードライブの貢献度は計り知れない」

丸屋「できたのが2007年8月で、ちょうど10周年です」

金子「ジョーはこけら落としの流れで来たんでしたっけ」

荘「そうそう。早かったんだよね。ジョーはビルボードライブで最初から成功している例だよね」

金子「まぁジョーの場合はビルボードライブができる前から来日はしていましたが。その前はどこでライブしてたんでしたっけ」

末崎「ライブハウスでしたよね」

荘「bmrが最初にジョーを表紙にした時あったじゃないですか、まだ判型が小さい時。あの時、原宿で女性限定のイベントをやってましたよね。AvexがJiveを配給していた頃。会場の中でbmr編集部だけが男だったっていう(笑)。もちろん取材で入ったんですけど」

金子「そういうのが萌芽して今に至ったのかもしれませんね(笑)」

荘「あの頃から圧倒的に香水つけてるお姉さま方の人気がすごくて。会場がものすごくいい匂いでしたよ。ちょっと尋常じゃいられないくらい(笑)」

丸屋「もしかしたら、ジョーも『こりゃいいや!』と思って来日を続けているのかも」

金子「かもしれないですね(笑)」

荘「でも、すごくいい例ですよね。ビルボードライブってハコにうまくはまってる」

Joe live at Billboard Live Tokyo (Photo by Masanori Naruse)
Photo by Masanori Naruse

金子「ジョーと同じ90年前半にデビューした男性R&Bでは……ブライアン・マックナイトもけっこう来ていますね」

荘「ちゃんとライブができる人たち、ですね」

金子「キース・スウェットは思ったより来てないですね」

荘「それは、本国の圧倒的な人気に比べて日本での知名度がもうひとつ伸びない……ということもあるかもしれない。残念だけど」

末崎「会場のサイズとか」

金子「そういった意味でもジョーはうまくはまってるわけですね、ちょっと失礼な言い方ですけど(笑)」

荘「お花を渡したり握手したりハグをしたりするのにちょうといい大きさでもあるよね。そういう文化を生みやすい会場でもある」

丸屋「そういえば想い出深いのはガイのライブで、アーロン・ホールが身体を絞り過ぎていて、滝に打たれる高僧のようで。それで上半身裸になって、上の階のボックスシートのテーブルの上に立って歌っちゃって、その時のテディ・ライリーの困惑した顔!」

末崎「(笑)。でも、演者が色々と動いてくれることが多いのは嬉しいですよね」

荘「東京のほうは、立体的な構造でもあるしね」

末崎「スポットライトを浴びながら上の階から登場したり」

金子「会場が出来てからずっと来日しているので、ジョーはビルボードライブの顔のような存在ですね」

荘「もはやR&Bの顔だね」

Billboard Live Tokyo
ビルボードライブ東京 会場写真

様々な発見をもたらす、ステージとの絶妙な距離感

金子「しかし、キース・スウェットだったりチャーリー・ウィルソンだったりが、このサイズで観られるっていうのはすごいですね」

丸屋「チャーリー・ウィルソンは本当に全力投球してて、ダンディに決めてるんだけど、近くに寄ってみると意外とシルクハットが汗で黄ばんでましたね。遠くで見ると分からないんだけど。でも頑張ってるんだぁということが分かりました」

荘「チャーリーは、2000年頃より今のほうが全然声が出ますね。グループ結成から50年、ギャップ・バンドとしてレコード出してから数えても40年以上やってるわけですけど、ますますエネルギッシュ」

金子「90年代は正直パッとしなかったですしね(笑)」

Charlie Wilson live at Billboard Live Tokyo (Photo by Masanori Naruse)
Photo by Masanori Naruse

丸屋「R.ケリーのプロデュースがすごくはまって、それからですね。そういう復活系おじさんで言うと、アイズリー・ブラザーズに来てほしいなぁ」

金子「アイズリーズは定期的に来て欲しいですね。やっぱり国外に出れない事情が今はあったりするんですかね? あとバンドだと、ミント・コンディションあたりも、もっと来てもいいと思うんですけど」

荘「確かにライブ・バンドだし、ビルボードライブのステージにはピッタリだよね。そう考えるとちょっと意外だね」

金子「〈Essence Festival〉でもラウンジ・ステージだし、そこまでギャラも高くはないと思うんですよね」

末崎「彼らは前の来日(2008年)の時より、今のほうが評価されている状況ですかね。初のグラミー・ノミネートを受けましたし」

荘「演奏技術が高くてインプロも期待できるし、もちろんストークリーの歌も最高。ぜひ来てほしい」

金子「同時代のバンドとしては……ブラン・ニュー・ヘヴィーズはけっこう来てますね」

荘「ブラン・ニュー・ヘヴィーズやインコグニートあたりは、今でもファンが多いですよね」

丸屋「この辺はUKが強いんだなぁ」

荘「アレステッド・ディヴェロップメントもこんなやってるんだ」

丸屋「それはある種のスタイリスティックスというか」

金子「そうですね。日本人にとってのヒップホップの原体験のひとつというか」

荘「ザップも定期的に来てますね。ファンクはいつの時代も需要があるってことかな」

丸屋「ダズ・バンドも来てるしねぇ」

荘「ちゃんとバンドの演奏が見られるギリギリの大きさってのもあるのかな」

末崎「東京の作りだと上から見られますしね」

荘「わりと弾いてる姿がよく見えるよね」

丸屋「弾いてる姿が印象的だったのはオマー。正面にマイクがあって斜め脇に鍵盤があって、こうやってやるんだ、って初めて分かった」

末崎「今度のエリカ・バドゥも、ビルボードライブの距離感だとまた発見があるかもしれないですね」

(⇒ P2に続く)

Billboard Live Osaka
ビルボードライブ大阪 会場写真


〈BBL 10th Anniversary Premium Stages〉

エリカ・バドゥ来日公演
2017年10月1日(日)3日(火)6日(金)12日(木) ビルボードライブ東京
2017年10月9日(月・祝)、10日(火)ビルボードライブ大阪

フェイス・エヴァンス来日公演
2017年10月5日(木)ビルボードライブ大阪
2017年10月9日(月・祝)ビルボードライブ東京

ベイビーフェイス来日公演
2017年11月15日(水)、16日(木)ビルボードライブ大阪
2017年11月18日(土)、19日(日)、20日(月)ビルボードライブ東京