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HIATUS KAIYOTE interview / ふたたび来日する彼らが語る、グラミー賞、マイルス、LAジャズ、日本について

2010年に結成されたオーストラリアの新鋭バンド、ハイエイタス・カイヨーテ。プリンスやスティーヴィー・ワンダーといったレジェンドから、エリカ・バドゥ、クエストラブらからの称賛や、Qティップ参加曲でのグラミー・ノミネートを得るなどして知名度を増していき、ここ日本でも絶賛を集めた昨年の初来日を機に、認知度は大きく増したと思う。早くも今年8月に〈SUMMER SONIC〉での再来日が決まったばかりだが、この5月、〈Greenroom Festival〉、そして2度目の単独公演での来日を前に、彼らの最新発言をお届けする。

取材・文/末崎裕之 hiroyukisuezaki (bmr)

ボーカルのネイ・パーム(Nai Palm)、キーボードのサイモン・マーヴィン(Simon Marvin)、、ドラムのペリン・モス(Perrin Moss)、ベースのポール・ベンダー(Paul Bender)から成るハイエイタス・カイヨーテ。ファースト・アルバム『Tawk Tomahawk』からQティップ(Q-Tip)が参加した“Nakamarra”で、2014年の第56回グラミー賞において、オーストラリアのアーティストとして初めて最優秀R&Bパフォーマンス部門の候補となり、今年2月の第58回グラミー賞でも、最新作『Choose Your Weapon』から“Breathing Underwater”が同部門にノミネート。大盛況だった昨年の来日もあり、この一風変わったバンド名にすっかり親しんだ人も多いことだろう。

もはや「知る人ぞ知る」といったステージを終え(彼らがどういうグループであるかは、原 雅明氏による昨年のこちらのインタビュー記事も参照のこと)、来週25日(水)には、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)やエリカ・バドゥ(Erykah Badu)らと共に彼らも参加した、ロバート・グラスパー(Robert Glasper)によるマイルス・デイヴィス(Miles Davis)楽曲を「リ・イマジネーション」した注目作『Everything’s Beautiful』が日本先行で発売される。このタイミングで、5月22日(日)の〈GREENROOM FESTIVAL〉への出演、5月23日(月)に名古屋ブルーノート、そして25日(水)と26日(木)にブルーノート東京で単独公演と来日。8月のサマソニでの再来日も早々に決定している。

今回お届けするインタビューは、昨年9月の初来日時に行われた対面取材と、先月リリースされたリミックスEP『Recalibrations, Vol. 1』のタイミングで行われたオフィシャル・インタビュー、そこに加えていただいたbmr独自質問で構成されている。

グラミーでは同じカテゴリーに“安っぽいR&B”もエントリーしていたけど(笑)スナーキー・パピーやレイラ・ハサウェイのような本物のアーティストが授賞してよかった

まずは、初来日となったブルーノート東京での単独公演と〈Blue Note Jazz Festival in Japan〉への出演後に行われた2015年9月28日の対面インタビューから。限られた時間の中での取材だったが、たまたま筆者が着ていたフライング・ロータス『You’re Dead!』のTシャツを見たネイ嬢が、その場で写真を撮ってフライローにメールで送るような、和やかな雰囲気の中で話は進んだ(ちなみに取材中にフライローから返事が返ってきていた)。

初の日本でのパフォーマンスの感想を問うと、まずサイモンが「素晴らしかったよ。整然としていたし」と回答。「音響もよかった」と付け加えたネイ・パームは、個人的なハイライトとして“Laputa”を挙げた。

ネイ・パーム「今回、初めて日本のみんなに“Laputa”を歌うことができたのは、マジカルだったわ。あの曲はミヤザキ(宮崎駿)にインスパイアされた曲だから

ぺリン「みんな、すごく喜んでくれてたよな

ネイ「そうそう! オーストラリアでは、人気はある曲だけど『あぁ、知ってる知ってる』って反応なの。でも、日本だと、『あぁっ!』って反応が大きくて。みんなこの曲を理解してくれてるんだなって思ったわ。私が日本から影響を受けたものを、エコーみたいに日本のみんなに返すことができたという感じで、すごく素敵だった

〈Blue Note Jazz Festival in Japan〉ではスナーキー・パピー(Snarky Puppy)のメンバーやロバート・グラスパー(Robert Glasper)、インコグニート(Incognito)の面々など他の出演者たちもステージ脇で観ていたという。

ネイ「最後のほうはグラスパーにインコグニートもみんな観に来てくれてたの。嬉しいことだわ。こいつらまた変なことやってる、って思われてるのが気持ちいいの(笑)。スナーキー・パピーとはフェスティバルなんかでも何度も一緒になったことがあるけど、素晴らしい人たちよ

そして話は、2014年の第56回グラミー賞に。同年の最優秀R&Bパフォーマンス部門では、ハイエイタス・カイヨーテの“Nakamarra”などと共に、スナーキー・パピーとレイラ・ハサウェイ(Lalah Hathaway)による圧巻のパフォーマンスで話題になった“Something”がノミネートを受け、見事スナーキーとレイラの“Something”が授賞した。

ネイ「スナーキー・パピーと私たちは一緒にグラミー賞の候補になったことがあって。“安っぽいR&B”も同じカテゴリーにエントリーしていたけど(笑)、スナーキーとレイラは本物のミュージシャンだし、自分たちが授賞できなくても、ライブ・インストゥルメントで音楽を作っているアーティストが授賞できたのは素晴らしいことだし、嬉しかったわ。グラミー賞は、授賞を競い合う“賞レース”に思えるだろうけど、自分たちの仲間が授賞できた、と嬉しく思えるの。スナーキー・パピーは素晴らしい人たちだし、常にハードに活動しているから。私は彼らをグローバルなファミリーだと思ってるの。ツアーで別の国に行って、そこで偶然ばったり会ったりするのもクールだわ

同年の最優秀R&Bパフォーマンス部門は、他にテイマー・ブラクストン“Love and War”、アンソニー・ハミルトン“Best of Me”、ミゲルとケンドリック・ラマーの“How Many Drinks?”がエントリーしていたが、ネイ嬢が「really cheesy R&B」と言ったのは、果たしてどれのことだろう。(→ P2へ)

 

Greenroom Festival 2016
出演日:2016年5月22日(日)
会場:横浜・赤レンガ地区野外特設会場
出演:チャカ・カーン、オマー、ハイエイタス・カイヨーテ、PUSHIM、bird、D.A.N.、DJ SARASA、DJ KAWASAKI + more

ハイエイタス・カイヨーテ単独公演 名古屋
日時:2016年5月23日(月)・1stステージ 17:30開場/18:30開演 ・2ndステージ 20:30開場/21:15開演
会場:名古屋ブルーノート
価格:8,800円(税込)

ハイエイタス・カイヨーテ単独公演 東京
日時:2016年5月25日(水)~26日(木)・1stステージ 17:30開場/18:30開演 ・2ndステージ 20:20開場/21:00開演
会場:ブルーノート東京
価格:8,500円(税込)

SUMMER SONIC 2016
出演日:2016年8月20日(土)東京公演のGARDEN STAGE
会場:QVCマリンフィールド&幕張メッセ
価格:1日券¥16,500(税込)
出演:レディオヘッド、マーク・ロンソン、ジャクソンズ、ミュージック・ソウルチャイルド、SWV、ハイエイタス・カイヨーテ、メイヤー・ホーソーン、キング + more