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KING interview / 「キングという名前を背負っていくことをプリンスと約束した」

LA発の女性3人組、キング。晩年のプリンスによるバックアップ、エリカ・バドゥやクエストラヴからの賛辞を始め、ロバート・グラスパーのグラミー受賞作『Black Radio』への参加、ジル・スコットやビラルをプロデュース、そして楽曲がケンドリック・ラマー作品でサンプリングされる……と、あらゆる音楽ファンの目を惹きそうなキャッチコピーが並ぶ2016年注目の存在が、早くも初来日を果たした。話題のデビュー作『We Are KING』から、コリーヌ・ベイリー・レイ6年ぶりの新作への参加、グラスパーによるマイルス・デイヴィス・リミックス企画への参加、そして亡きプリンスとのエピソードまで……3人のシスターたちが語ってくれた。

取材・文/末崎裕之 hiroyukisuezaki (bmr) live photos by Masanori Naruse

ミネアポリス出身のパリス・ストローザー(Paris Strother)&アンバー・ストローザー(Amber Strother)の双子姉妹と、コンプトン出身の女性シンガー、アニータ・バイアス(Anita Bias)の3人組から成るキング。バークリー音楽院出身のパリスが全てのプロデュースを務め、ソングライティングやボーカルは全て3人でこなすというインディペンデントなグループで、ソウルフルで美しいハーモニーと、ドリーム・ポップ的な甘美なシンセ・サウンドは、2011年に初めて3曲入りの『The Story』という形でリリースした際から大きな話題となった。

あれから5年、クリエイティヴ・コントロールを自分たちで握るという矜持が込められた“キング”たちが、ついにデビュー・アルバム『We Are KING』を完成。日本でも大きな反響を呼び、5月2日(月・祝前日)にビルボードライブ東京で、4日(水・祝)にビルボードライブ大阪で行われた初来日公演はソールドアウトしたという大盛況ぶり。その公演直前に行われたインタビュー、そして絶賛の声が相次いだライブのレポートをお届けしよう。

ジャム&ルイス、プリンス……あの時代、ミネアポリスから出てきた人たちはみんな尊敬しているわ

Photo by Alex King

インタビューが行われたのは、リハーサル後の楽屋にて。アンバーがウータン・クランのロゴTシャツを着ていたのも興味深かったが、コーンロウ姿のアニータが放つクールなヴァイブと、明るいアンバーの対照的なキャラクターも印象的だ。プロデュースを務めるパリスが音楽面で多く語るのは当然だが、その姉妹であるアンバーとは違って、アニータは口数が少ない。ライブ・ステージでの立ち振る舞いなどを見ると、アニータは元々そういう人のようで、レイドバックし、低めの声でクールなアニータにT-ボズを思い出した。とするとアンバーはチリか。と言ってもパリスがレフト・アイに当てはまるわけではないが。

“Red Eye”の中のリリック「Egyptian paradise, Tokyo sunrise」に掛けて「トーキョー・サンライズはもう見たか?」という質問を皮切りに、初来日の印象から訊ねた。特に、“The Greatest”がJ-WAVE TOKIO HOT 100で最高2位になるなど日本で大きな反響があったことには驚いているという。

パリス「本当にびっくりよ。リリース直後からJ-WAVEはよくしてくれて、初登場36位から2位までいったのはすごく名誉に感じている。それに実際に日本に来て、もう何人かファンに会うことがあったり反応が大きくて、感動したわ

その“The Greatest”のミュージック・ビデオは往年のTVゲームを意識したような映像になっていることからも分かるとおり、ゲーム・ミュージックから受けた影響も大きいようだ。特にパリスはかなりのゲーマーのようである。

パリス「もちろん影響を受けているわ。Nintendo(日本で言うファミリーコンピューター)で育ったし、音楽に最初に触れたのも、日本に初めて触れたのもゲームを通してだった。(音楽を担当した)近藤浩治さんのマリオとか。全ハード持ってたわ。それに私は今でも毎日ゲームをしてるの(笑)。だから私たちにとって(ゲームは)大きな存在よ。一番好きなのは『スーパーマリオカート』ね。NINTENDO64でもやってたし、Wiiでもやってるし

アニータ「私もマリオカートが好き

アンバー「私はジェームズ・ボンドの『ゴールデンアイ 007』かな。でもマリオカートは私たち毎日やるわ(笑)

そしてこの春、ついにリリースされたデビュー・アルバム『We Are KING』は、米Billboard誌やAllMusicなども高く評価し、アンダーソン・パーク(Anderson .Paak)やジャム&ルイスのジミー・ジャム(Jimmy Jam)を始め多くのアーティスト/ミュージシャンもお気に入りに挙げている。筆者は「ドリーム・ソウル」と表現したことがあるが、しかしR&Bやネオ・ソウルの枠に留まらず、タイムレスでどこか懐かしい、普遍性のあるポップスとしての魅力を兼ね備えているからこそ、J-WAVE TOKIO HOT 100で高い順位に付くほど日本でも支持されるのだろう。

パリス「まず最初に、本当にありがとう。ドリーム・ソウルって表現、好きだわ。ドリーム・ポップって言われたり、いろんな風に表現されるけど、それは嬉しいことなの。だって、私たちの音楽を深く聴いて、私たちがどういうものに影響を受けているかを感じ取ってくれているってことでしょう? ひとつの音楽ジャンルだけじゃなくて、ゲームもそうだし、クラシック音楽だったり、いろんなものから影響を受けているから

その数ある影響源の中でも、特にライブ・パフォーマンスではよりはっきりと感じ取れたのが、ストローザー姉妹の故郷で生まれたミネアポリス・サウンドの要素だ。

パリス「ミネアポリス・サウンドの影響は大きいわ

アンバー「間違いないわね

パリス「ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)をプロデュースしたジミー・ジャム&テリー・ルイス(Jimmy Jam & Terry Lewis)、それにプリンス(Prince)ももちろんそうだし。あの時代、ミネアポリスから出てきた人たちはみんな尊敬しているわ」(→ P2へ)

>> キング『We Are KING』全曲フル試聴