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『Empire 成功の代償』キャスト来日 / YAZZ & JUSSIE SMOLLETT interview

ヒップホップ/R&BレーベルのCEO一家の愛憎と葛藤を描いた『Empire 成功の代償』は、ハイクオリティ化が凄まじいアメリカのTVドラマ界でも屈指の作品。ティンバランドによるサウンドトラックも大ヒットを記録した。そんな『Empire』第1シーズンのDVD化(4月2日発売)と第2シーズンの日本放映開始を前に、中心キャストが来日! ヤズとジャシー・スモレットが語ってくれた。

取材・文/丸屋九兵衛 写真/yoshiokamakoto

ドラッグディーラーから人気ラッパーとなり、自らの会社「エンパイア・エンタテインメント」を興してビジネスマンとしての地位も築いた主人公、ルシウス・ライオン。突如釈放され17年ぶりに帰還した元妻クッキー。後継者の座を狙って競い合う長男アンドレ(ビジネス面は優秀だが音楽の才能皆無)、次男ジャマル(ゲイのシンガー・ソングライター)、三男ハキーム(粗暴なラッパー)。こんな骨肉の争いと愛憎、音楽業界でのハッスルをクロスさせて描いたTVドラマ『Empire 成功の代償』は、昨年1月の本国放映開始以来、絶好調だ。

話の中心となる夫婦はテレンス・ハワードとタラジ・P・ヘンソン。同じ組み合わせで大ヒットした2005年のヒップホップ映画『ハッスル&フロウ』を思い出さずにはいられない絶妙な配役だろう。音楽業界が舞台だけに、ティンバランド(Timbaland)が総指揮を務めるサウンドトラックも出色。次男役と三男役の俳優/ミュージシャンが揃ってColumbia Recordsと契約したというニュースも、「ネクストレベルのドラマ」を感じさせてくれた。

そんな大好評の中、母親クッキーことタラジ・P・ヘンソン、次男ジャマルことジャシー・スモレット、三男ハキームことブリシャー・ヤズ・グレイが昨年12月に来日。bmrでは、アルバムが待たれるジャシー・スモレットとヤズに話を聞いた。

まずは三男ハキームを演じるブリシャー・ヤズ・グレイ(Bryshere Yazz Gray)。ヤズ・ザ・グレイテスト(Yazz the Greatest)というアーティスト名で活動してきた彼は、ラッパー転じてアクターだ。出会って驚くのは、実際のヤズがあまりに礼儀正しく大人しい人物であること。ラッパーとしても相当にイグノラントな部類に含まれるハキームとは好対照である。

俺たちがコミュニティとして団結できたのはヒップホップのおかげだ

――現在22歳ということは、テレンス・ハワードとタラジの映画『ハッスル&フロウ』が世に出た時は12歳。影響を受けました?

「俺の人生に音楽的なインパクトを与えてくれた。フレッシュで生々しくて……。特に、テレンス演じる主人公がラップする曲“Whoop That Trick”を聴いて、ますますあの映画が好きになった」

――将来、彼らと共演したいと思ってました?

「まさか。夢にも思わなかった。地元のウェストフィラデルフィアに住んでる頃、毎週のようにテレンスやタラジが登場する映画やドラマを見てた俺が、彼らと共演できるなんて」

――あなた自身とハキーム、共通するところはどれくらいあります?

「10%くらいかな。ヤズはヤズだし、ハキームはハキームだ。ただし、音楽とパフォーマンスの面では、ハキームというキャラクターにフレイバーを与えているつもり」

――あなた自身は、ハキームを好きですか?

「やはり自分が演じるキャラクターだから、愛してはいる。でも、いつでも好きなわけではない。彼は時おり、何も考えずに愚かな選択をするから、見てる方は『なんでそんなことを?!』となるよね。でも、ちゃんとした指導なしに育ってしまった少年だから仕方ないとも言える」

――サウンドトラックで最も好きな曲はなんですか?

「好きなのは……“You’re So Beautiful”だな」

――あの曲のハキームは珍しくスウィートですよね。

「イェー、あれはハキーム/ヤズの女性ファンベース向けの曲だからね」

――わたしが好きなのは“Can’t Truss ‘Em”です。最もイグノラントなシットですが。

「ははは、その通り。ティンバランドのビートが最高だよな。あの曲が必要になったのは、ハキームの人生が重大な転機を迎えたから。彼にとって重要な二人の女性、母クッキーとティアナに裏切られたと感じた。特にティアナは彼のガールフレンドなのに、実はバイセクシュアルで女性と浮気してた。だから『女なんて信じられない』とラップしたわけだ」

――あなた自身は、どんなキャリアを目指してますか?

「22歳の俺にとっては、どんなことでも起こりうる。とにかく30年後、40年後もこのビジネスで生き残っているプレイヤーでありたいね」

――ラッパーもアクターも続けたい?

「自分が好きなことをやり続けたい。曲を書き、音楽を作り、演じ、モデルもやり……そして、自分のコミュニティに恩返しもしたい」

――Columbiaと契約したことが報じられましたが、肝心のアルバムは?

「作ってる。ただ、今は『Empire』のシーズン2からシーズン3へと撮影が進むから、とにかくずっと忙しすぎて。しかも俺は、ヤズとしてではなく、ハキームとしての曲も書かなくちゃいけないし」

――2015年は映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』が話題となった年でしたが、ああいったヒップホップのせいで黒人街が荒廃したと思いますか?

「まさか。むしろ、俺たちがコミュニティとして団結できたのはヒップホップのおかげだと思う」

――最後に、テレンス・ハワードのキャラクター、ルシウス・ライオンのモデルは誰だと思います?

「ゴッドファーザーとレニー・クラヴィッツのミックスだね。テレンスもルシウスも、とても音楽的な男だ。ヒップホップだけではなく、ポップ、インディロック、いろいろな種類の音楽に通じているから」 (→ P2へ)