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AISHA interview / 「私が歌えば、どんなポップな曲でもやっぱりR&Bのフレイバーが残る」

ランDMCのDMCをフィーチャーした「Fallin' 4 U」で2010年にデビューしたAISHAが、2ndアルバム『Pink Diamond』と共に、大きな成長を遂げて元気にシーンへ戻ってきた。

取材・文/金子穂積

夏に先行リリースされたEP『CANDY LOVE』のタイトル・チューンは、その変貌と成長っぷりに驚かされる、まさに再始動にふさわしい一曲であった。しかも今回は、日本のR&Bシーンを引っ張ってきたプロデューサー、今井了介氏率いるプロダクション・チーム、TinyVoice,Productionが強力にバックアップしているという。1stアルバムの頃よりも明らかにスケール・アップしてのセカンド・ステージと言えそうだ。新たなステージの幕開けに至る過程と今後を、AISHA本人に聞いた。

私が歌えば、どんなポップな曲でもやっぱりR&Bのフレイバーが残る

――デビュー作から少しインターバルが空きましたので、今回は再スタートという風に捉えることができるかと思いますが、ご自身としては、どのように考えています?

新しいレーベルにピックアップしてもらい、新しいチームに出会えて、完全に再スタートですね。2年ぐらい前に、TinyVoiceの今井さんにプロデュースしてもらうようになり、そこから始まった感じです。次のレーベルもまだ決まっていなかった私と一緒にやっても何もメリットがない時に手を差し伸べてくれたので、本当に恩人ですね

――やはり、今井さんとの出会いはデカイようですね。

デカイですね。今井さんの素敵なところは、凄く自由に曲を作らせてくれるんです。1stを作る時はディレクターさんが、候補となる曲の音源をいろいろと聴かせてくれて、どれやりたい?っていう感じだったんです。だから、曲作りはそういう風にするものだと思っていたんです。でも、今井さんとは決まったやり方はなくて。良いと思うものは、どんどん使ってくれる感じなんですよね。

例えば、“SHYでもいいよ”という曲は、AISHAがぼ~っとしていた時に、『あ、この歌詞とメロディはヤバイ!』というのが頭に浮かんで、それをすぐ携帯に録ったものをメッセージで送り、聴いてください、これにトラックをつけてください!ってお願いして作った曲なんです。音楽の作り方は決まったやり方じゃなくてもいいんだな、というのを今井さんを通して知りましたね。だから、作っていて凄く楽しくて。

いちばん最初に作ったのが、その“SHYでもいいよ”なんですが、これはMANABOONさんと一緒に作りました。TinyVoiceに所属している作家さんは10人ぐらいいるんですが、その中から今井さんのオススメで、MANABOONはAISHAに合うと思うから、TinyVoiceとしてまずは、彼と一緒にやってみようと言う事になって作ったんです

――ちなみに、再始動第一弾としてリリースされた「CANDY LOVE」は、どのように出来たのでしょうか?

“CANDY LOVE”は、今井さんが、新たなスタートにいいんじゃない?と持ってきてくれた曲ですね。最初聴いた時は、どポップだな、でもだからこそ再スタートにはいいのかな、と。で、歌詞を書けば書くほど、これはいけるかもと思って、今は自分でも一番好きな曲になっていますね。

え!? AISHA、これ違くね?って思われたらどうしようという不安もあったんですが、再スタートだからこそ、ここまでガラリと変えて今は良かったなと思っています。しかも、私が歌えば、どんなポップな曲でもやっぱりR&Bのフレイバーが残るんですよね。フェイクだったり、唄い方で。出来上がった曲を自分で聴いて、それが確認できて納得しました

「私が歌えば、どんなポップな曲でもやっぱりR&Bのフレイバーが残る」と自然体で話していたのが、とても印象的であった。やはり、AISHAの最大の武器は、R&Bシンガーとしての歌声であろう。「以前はガッツリ系ばっかりだったけれども、綺麗なコーラスや、アメール・ラリュー(Amel Larrieux)のようなスウィートな歌い方をしたかったんで」と本人も語ってるように、以前からのエネルギッシュな歌声に加えて、優しく魅力的な歌声も新作ではたっぷりと聴くことが出来るようになった。

ちなみに、最近のお気に入りアーティストは、“Here”のヒットで知られるアレッシア・カーラ(Alessia Cara)で、「彼女の声は、久々に興奮しましたね。めっちゃ良い声と思って。しかも、ビデオ見たら子供みたいな可愛い顔でビックリしました」とのこと。

ところで、歌声に加えて、今回、AISHAはもうひとつ新たな武器を手に入れている。作詞も含めた作曲である。しかも、英語がベースであった1stの頃とは違い、日本語を多用している点が注目だ。ちなみに、「CANDY LOVE」は、再スタート1発目のリリースだったので、とにかく歌詞を徹底的にこだわり抜いたらしく、実質3曲分ぐらいの量の歌詞を書いたとか。

――歌詞も、デビュー当時と比べて大きく変りましたね。

まずは全部書いてみてと言われて、最初は書けるか不安だったんですけれども、でも、自分でも書いてみたいというのが以前からあったので、このチャンスをちゃんとものにしないとなと思ってトライしましたね。でも、何回も何回も書き直して、やっと“CANDY LOVE”が出来たんですよ。かなり書き直しましたけど、全部を自分で書くことで自信にも繋がりましたね。あと、ライブをやっていて、一緒に歌っている子を見たりすると、分かってくれているんだなと嬉しくなります

――日本語に対する捉え方も変わりましたか?

日本語の本を読むようになったんですよね。それで、ボキャブラリーも増えて。昔は、歌詞を書くときは英語だけだったんですけれども、今は、日本語を入れて書けるようになったのが嬉しいです。日本語というランゲージそのものが好きになりましたね」(→ P2へ)