bmr

bmr>FEATURE>塩ノ谷早耶香 × AUGUST RIGO / 対談:R&Bの本質を求めて

FEATURE

塩ノ谷早耶香 × AUGUST RIGO / 対談:R&Bの本質を求めて

EXILEや三代目J Soul Brothers等、数々のアーティストやタレントを擁するプロダクション「LDH」に所属し、ソロとして活動を展開中の女性シンガー、塩ノ谷早耶香。これまではJ-POPのフィールドでバラードを歌うことが多かった彼女が、10月28日に発売するミニ・アルバム『S with』でR&Bに初挑戦する。しかも、bmr読者ならご存じのシンガー・ソングライター、オーガスト・リゴとのコラボレーションだという。レコーディングのタイミングで、ふたり揃ってのお話が聞けるということで、スタジオにお邪魔した。

取材・文/金子穂積

もともとダンスをする時に選んでいた曲がたまたまR&Bだったりしました――塩ノ谷早耶香

――塩ノ谷さんは、今回初めてR&Bに挑戦とのことですが、レコーディングへの意気込みを教えていただきますか?

塩ノ谷早耶香(以下、S) 「オーガストさんの声は、優しさが滲み出ている声だと思うのですが、その声で歌われたデモを聴き、勉強しながら、素敵な曲にできたらいいなと思い、スタジオに入りました。私にとってこういう雰囲気の曲は初めてなのですが、もともと小さい時からダンスを習っていたので、こういったノリの曲を自分が歌ったらどうなるのかなっていうのも、凄く気になりますね。
 オーガストさんは、私にないものをたくさん持っているんです。そのために、歌っていて悔しいこともあって。もっとここをこうすれば良いのに、なんで自分には出来ないんだろう、とか。でも、そういったことを上手く伝えてくれて、導いてくれるんです。だから、このレコーディングが終わった時には、自分が凄く成長していたらいいなと。その成長の過程が、この曲には詰め込まれているはずです」

オーガスト・リゴ(以下、A) 「事前にYouTubeで彼女の歌声はチェックしていたけど、実際に聴いて、やはり素晴らしい声を持っているなと。スウィートなヴォーカルに真っ先に惹かれて。キュートなんだけど、どこかにセクシーさが漂う、っていう感じかな。特に気に入っているのは、高音になった時。芯はしっかりしつつも、良い意味で弱さというか切なさがあるのが魅力だね。今回のレコーディングの難しい壁のひとつは言語の違い。でも、歌詞の中の英語を、もう少しこうやって発音すればとアドバイスしたりすると、ちゃんと言った通りのものが返ってくる。その能力に驚いたよ。(日本語で)サイコー!」

S「(笑)。この“サイコー!”ってレコーディング中に、ちょいちょい言ってくれるんですよ。そのおかげでテンションも上がって」

A「この言葉だけ、今日覚えたんだ(笑)」

――今回のレコーディングは、これまでと比べてどんなところが違いますか?

S 「これまでの私は、J-POPで、特にバラードというのが多かったんですよね。今回は、そういった曲で求められていた表現とは違うので、そこが少し戸惑う部分はあります。でもやっていると、音やオケに乗って自分自身が一体化していくのが分かって、それが楽しくて。その心地良さというのを、凄く感じます。かなり楽しんでレコーディングをしています」

A 「それを聞けて、僕も嬉しいね。今回初めてR&B曲をやるということを考えると、とても上手に出来ていると思うよ」

――先ほどリード部分を録り終えて、このインタビュー後にコーラス録りと聞きました。R&Bはコーラスが肝であるかと思いますが、手応えはどんな感じでしょうか?

A 「うん、重要だよね。でも、彼女なら大丈夫。イケるよ! 出来上がったものは絶対に綺麗な曲になるはずさ」

――ところで塩ノ谷さんは、R&Bシンガーと聞いて想像するアーティストはいますか?

S 「特にはいないんですよ。でも、もともとダンスをする時に選んでいた曲がたまたまR&Bだったりしました。そんな時に、早耶香はR&B好きなんだね、などと言われたりはしたので、そういう意味では繋がりはあるのかなと。
 あと上京してきてから、洋楽を聴いた方がいい、と多くの方に言われたので、渋谷のTSUTAYAに行って5時間ぐらい試聴機で聴き込んだことがあるんです。でも、自分が買いたいと思う人になかなか出会えなかったんですが、その中でジェフ・バーナット(Jeff Bernat)さんを聴いた時に、これは凄く好きな歌声だなと思い、それ以来、彼の曲は聴いていますね」

――ジェフ・バーナットはフィリピン系アメリカン。フィリピン系カナディアンのオーガストさんと出自が似てますよね。そういった方を好きな塩ノ谷さんが今回、オーガストさんとコラボレーションするのは面白いと思います。オーガストさんはジェフ・バーナットを知っていますか?

A 「いや、知らなかったね。チェックしてみるよ。フィリピン人はR&B好きなんだよね(笑)。良いR&Bの曲って、スロウなラヴソングっていうのが多いと思うんだけど、フィリピンで好まれる曲もスロウなものが多いんで、その辺が関係しているんじゃないかな。僕が育った環境(カナダ)でのポップ・ミュージックっていうのが、そもそもR&Bだったんだよね。周りは黒人も多かったんで、ジョデシィ(Jodeci)、ボーイズIIメン(Boyz II Men)、テヴィン・キャンベル(Tevin Campbell)、シャイ(Shai)など、ミッド~スロウなR&Bが溢れていたね。ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)とかのヒップホップも勿論あったけど」 (→ P2に続く)