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FEATURE

アリアナ・グランデ live report / ハネムーン・ツアー in NY

デビュー作に続いて好評のセカンド・アルバム『My Everything』をひっさげ、北米/ヨーロッパ/アジアを回るツアーを開始したアリアナ・グランデ。ここでは、ニューヨークはマディソン・スクエア・ガーデン公演のレポートをお届けする。

文/池城美菜子 Minako Ikeshiro

マドンナ(Madonna)、ビヨンセ(Beyonce)、アリシア・キーズ(Alicia Keys)、リアーナ(Rihanna)、レディー・ガガ(Lady Gaga)、ケイティ・ペリー(Katy Perry)、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)。ここ2~3年で、単独で世界規模のアリーナ・ツアーを組めた女性シンガーのリストだ。ここに、2013年夏のデビューから2年弱、弱冠21歳のアリアナ・グランデが食い込んだ。マドンナは別格、ビヨンセもグループでのキャリアを数えると、デビュー後2年以内に大きなツアーを敢行したのはレディー・ガガとテイラー・スウィフトのふたりだけ。子役時代からのファンという「貯金」を考えても、この面々に加えてみると、現在〈Honeymoon Tour〉で北米とヨーロッパを回っているアリの勢いがよく分かる。

4オクターブと言われる声域の広さをいかんなく発揮
よく比較されるソプラノ・ヴォイスはマライア・キャリーよりずっと太い

40カ所以上を回る〈Honeymoon Tour〉、ニューヨーク公演はマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)の2デイズ。今季最後の雪に見舞われた3月20日に見て来た。

筆者は、ここ3年以内に、ケイティ・ペリー以外の上記アーティスト全員のコンサートに足を運んでいるが、キャリアの長さではやっと新人の域を出たアリアナ・グランデがここまでの仕上がりを見せたことに、まず驚いた。ファンはアリアナのトレードマーク、猫耳カチューシャが似合う10代から20代前半の女子がほとんど。髪の長い、女の子らしい人気者タイプが多い。オープニング・アクトのリクストン(Rixton)は、バンド形態でR&B寄りのポップを奏でるグループで、ドラムとギターがめちゃくちゃ上手な進化系アイドルの様子。

アリアナは、ジェシー・J(Jessie J)の持ち曲“Bang Bang”からスタート。ニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)のラップのパートも自分でこなす。北米ではこの曲と、イギー・アゼリア(Iggy Azalea)との“Problem”が特大ヒットをマーク、ボーイフレンドのビッグ・ショーン(Big Sean)、ミーク・ミル(Meek Mill)、エイサップ・ファーグ(A$AP Ferg)とのコラボでグッとアーバン寄りになり、リアーナ(Rihanna)やクリス・ブラウン(Chris Brown)の立ち位置とかなり近くなった。ライヴでは4オクターブ出ると言われる声域の広さをいかんなく発揮、マライア・キャリー(Mariah Carey)とよく比較されるソプラノ・ヴォイスはマライアよりずっと太く、元曲よりずっと激しく声を張り上げる場面が何度もあって頼もしかった。

ダンサーは総勢12人、バック・バンドはストリングス3人とハイプマン役のDJを含めた8ピース。ビヨンセやクリス、アッシャー(Usher)らがハードルを上げてしまったせいで、たまに「踊れない」と書かれるアリアナだが、歌唱スタイルを考えると踊りまくらなくてもいいはず。アリーナ以上のツアーとなると、かなり歌えるアーティストでも、ダンス・ルーティンが激しい曲ではほぼ口パクになることが多い。それが許されるのも最近の傾向だが、あえて妥協しないアリアナにポテンシャルの高さを感じた。

可憐なルックスにあったお姫様っぽいイメージが嫉妬心をかき立てるのか、デビュー以来、一定のバッシングを受けているアリちゃんでもある。ステージを見ると、そのお姫様ノリと圧倒的な声量がギャップになっていて面白い。歌い方はマライアよりクリスティーナ・アギレラ(Christina Aguilera)に近く、“One Last Time”あたりのバラードがとても良かった。衣装の形がほとんど同じなので、何度も衣装替えをする必要がちょっと分からなかったのだが、徹底的なイメージの統一はうまく働いていると思う。

なんども感涙を流し、ときに声を詰まらせたのが、翌日、ニュースになったのだが、それよりも前屈みになってビックリする程のビッグ・ヴォイスを聴かせた場面が印象に残った。子役時代も入れると芸歴が長いアリアナは、たぶん、歌声並みにたくましい女性だ。“Break Free”で、会場中が波打つような盛り上がりを見せて、コンサートの幕が閉じた。