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スペシャル座談会 / R&Bコンピ『bmr presents The Truth』の真実

bmr監修のもと、「日本のR&Bシーンの真実」を伝えるジャパニーズR&Bコンピレーション・アルバム『bmr presents The Truth -Japanese R&B Collection- selected by Shintaro Nishizaki』が2月18日に発売。アルバム・リリースに際して、参加アーティスト(ON Tyme、Tina、TSUYOSHI、BIG BANG THEORY)によるR&B座談会が行われ、思い思いに音楽感を語ってくれた。

取材・文/西崎信太郎 写真/高橋和之

音楽の売り上げが落ちているのは世界規模の話だから仕方ないけど、日本のシーンの良くないところはジャンルが多様化していないっていうこと――今井大介(ON Tyme)

O-今「そう、僕は2000年にソロ・デビューしました。当時アメリカのコミュニティ・カレッジに在学していたんですけど、ジョーイ・カルヴォーン(Joey Carbone)っていう現地のプロデューサーとプロダクション契約を結びました。僕のトラック・メイキングがまだアマチュアのレベルだったので、シャイ(Shai)やザ・ボーイズ(The Boys)の楽曲を手掛けていたプロデューサー/エンジニアのジェフ・カラサーズ(Jeffrey Carruthers)が作ったトラックに僕がメロディを書いたり、二人でセッションしたり、色々と手伝ってもらいながらデビュー・アルバムは作りました」

TS「シャイとか懐かしい!」

O-今「セカンド・アルバムを作る時にはほぼ自分で曲作りをやっていました。ちょうどCHEMISTRYが出てきた頃ですね。まさにCHEMISTRYのプロデューサーである松尾潔さんの曲の作り方が、歌謡R&Bの決定版でした。
 確実に違う曲の作り方が2つあって、例えばON Tymeの楽曲を作る時のように、まずトラックから作るやり方が1つ。もう1つはピアノからメロディを作ってそこからアレンジをしてくやり方。歌謡風味のR&Bと、R&B風味の歌謡って僕は言っていたんだけど、当時はこの2つスタイルが鮮明に分かれていて、この境界線を良い意味であいまいにしたのが松尾潔さんだと思うんですよね。だからCHEMISTRYは両方のやり方で曲を作っていましたね」

西「興味深いお話ですね。この2つのスタイルを意識して聴き比べてみます!
 Tinaさんがデビューした1999年前後は、女性R&Bシンガーが続々とデビューしたR&Bディーヴァ・ブーム。『日本のR&Bシーン=女性アーティスト』というイメージを強く持たれている方も多いかもしれませんが、TSUYOSHIさんは2008年にメジャー・デビュー後、3枚のアルバムと1枚のコレクション・アルバムの合計4枚のアルバムをコンスタントにリリースされています。男性R&Bシンガーとして第一線で活動し続ける為の秘訣があれば是非教えて下さい」

TS「僕はTinaさんや今井さんがソロでデビューされた頃に地方から東京へ出てきたので、アーティストとして活動するスタートは遅かったんですよね。ですので、純粋に追いつきたいっていう思いが強かったです。東京に出てきてからデビューまで7~8年くらいかかりましたが、今でもやりたい事がまだまだ残っていて、それをなるべく吐き出したいっていう思いがあるので、コンスタントにリリースを重ねられていると思います。
 あとは、SUGAR SHACKのメンバーとして活動出来た事も大きかったですね。それこそTinaさんがデビューされた頃が女性R&Bシーンの1つの山だったとしたら、男性R&Bシーンはまだ山が無いよねっていう思いから結成したユニットだったので、本当に良い経験をさせていただきました」

西「SUGAR SHACKは1つのムーブメントになりましたし、確実に日本の男性R&Bシーンの1つの山になりましたよね。
今井さんは海外在住歴もあり、様々な海外アーティストと親交もありますが、海外のR&Bシーンと日本のR&Bシーンを比較して感じる事はありますか?」

O-今「これは皆さんが同意する事だと思うんですけど、日本ってアメリカでカテゴライズされるようなカテゴリーが無いと思いますね。よく作家仲間とも話すんだけど、音楽は斜陽産業だから売り上げが落ちているっていうのは世界規模の話だからこれは仕方のない事だけど、日本の音楽シーンの良くないところはジャンルが多様化していないっていうことだと思いますね。ジャンルが多様化しないと、音楽文化が衰退しちゃいますし。
 例えば、アメリカの音楽シーンを見ても音楽文化は衰退してないでしょ。いまだにグラミー賞を見ても、誰がウィナーになるか分からないワクワク感がある。ジャンルが多様化して、各ジャンルのアーティストが切磋琢磨して音楽シーンを盛り上げるっていう構図が無いと、面白くないですよね。だから、今はR&Bが好きな人達や同じ志を持つ人達だけがR&Bをやって、実力のある人達が残れば良いと思います。特に今のリスナーは耳が肥えてますからね」