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Phony Ppl

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フォニー・ピープル

ジ・インターネット(The Internet)らと比較されるR&Bバンドで、ブルックリンを拠点に、ソウル、ファンク、ヒップホップ、ジャズ、ラテンなど様々な音楽スタイルを織り交ぜた「ノー・ジャンル」(noGENRE)を謳うバンド・サウンドを聞かせる。元々は多彩な才能を持つ9名から成るアーティスト集団としてスタートしたが、メンバーのソロ活動による離脱などにより、2017年以降は5人組バンドとして活動している。ジ・インターネットからは「仲間」と呼ばれ、交流もある。

中学校からの友人だったボーカル/ラッパー/プロデューサーのエルビー・スリー(Robert “Elbie Thrie” Booker)、鍵盤/プロデューサーのエイジャ・グラント(Aja Grant)を中心に、高校の同級生や近所に住む友人たちで2010年頃に結成。元々は2008年6月9日、エルビー・スリーの16歳の誕生日で友人たちが集まり、全員がミュージシャンだったことからセッションが始まったことが結成のきっかけとなる。「フォニー・ピープル」(ペテン師の人たち)というグループ名は、高校で出会ったラッパー/ボーカルのダイム・ア・ダズン(Dyme-A-Duzin)がソロ公演をする際にバンドを必要とし、エルビー・スリーとエイジャ・グラントが参加したが、バンド名が必要ということで急きょエルビー・スリーが思いついたものだという。2009年にはダイム・ア・ダズンがフォニー・ピープル名義で「プレ・アルバム」として『Wtf Is Phonyland』を無料で公開したが、この時はダイム・ア・ダズン、エルビー・スリー、エイジャ・グラントに、R.I.O.T、エイヴリーという人物を加えた5人組だった。

2010年頃にヒップホップ・コレクティヴとして始動した際は、エルビー・スリー、エイジャ・グラント、ダイム・ア・ダズンに加え、ダイム同様に高校で出会ったギターのイアン・ベイカーウーマン(Ian Bakerwoman)、ドラム/パーカッションのマフユー(Matthew “MaffYuu” Byas)、さらにエイジャの兄であるベースのバリ・ベース(Omar Jabari ”Bari Bass” Grant)や、ラッパー/ボーカルのシェリフ・PJ (Sheriff PJ)、ギター/パーカッションのイライジャ・ローク(Elijah “Rawk” Austin)、ホーンのテミー・O (Temi O)らによる9人組に。マフユーの父親はズールー・ネイションの初期メンバーとしても知られるDJジャジー・ジェイ(DJ Jazzy Jay)で、ジャジー・ジェイの持つ地下スタジオでよくリハーサルをしていたという。

そしてバンドとして2012年1月にデビュー・アルバム『Phonyland.』をBandcampにてフリーダウンロードも可能な投げ銭形式(当時)でリリース。ソウル、ヒップホップ、ジャズ、ラテンなど様々な音楽スタイルを織り交ぜた生音主体のバンド・サウンドと、平均年齢20歳前後の若さで注目を集め、Okayplayer、Complexなど様々なメディアが取り上げた。

同年7月にはすぐにフリーEP『nothinG special』を発表。こちらもまた高く評価される。この2012年には、まだブレイク前のチャンス・ザ・ラッパー(Chance the Rapper)とも共演したほか、同年末にはLAでのエリカ・バドゥ(Erykah Badu)公演にて、シド・ザ・キッド(Syd tha Kid)と共に前座を務めた。

またメンバーも個々で活動しており、エルビー・スリーは2013年にソロ作『53,000』を発表。エイジャ・グラントは、マック・ミラー(Mac Miller)の2016年作『The Divine Feminine』やアラン・キングダム(Allan Kingdom)のデビュー・アルバム『LINES』などでプロデュースを手がけているほか、マック・ミラー最後のアルバム『Swimming』(2018年)にも参加している。マフユーは、ドモ・ジェネシス(Domo Genesis)のデビュー・アルバム『Genesis』(2016年)などでプロデューサーとしても活躍している。イライジャ・ロークもまた、プリンセス・ノキア(Princess Nokia)のバンド・メンバーとしても活動しており、彼女のミックステープ『A Girl Cried Red』(2018年)ではプロデュースも担当した。イライジャ・ロークとバリ・ベースは、セオフィラス・ロンドン(Theophilus London)のツアー・バンドのメンバーだったこともある。

2008年にミックステープ『=x Shut Up N Listen』を発表するなど以前からソロ・ラッパーとして活動していたダイム・ア・ダズンは、2011年にWarner Bros. Recordsとのメジャー契約を獲得。『A Portrait Of Donnovan』(2013年)、『Hip Hope』(2014年)などのミックステープを経て、フォニー・ピープルを脱退した。イアン・ベイカーウーマンやテミー・Oは初期の段階でグループを離れているほか、“YAGGA.”などのソロ曲を発表していたシェリフ・PJは、マフユーもプロデュースなどで関わっているブルックリンのラップ・デュオ=グロス・ギャング(Gloss Gang)のミュージック・ビデオ撮影やアートワークを担当するようになり、徐々にグループを離れ、2016年9月頃から姿を見せなくなっている。

2015年には、リオ・コーエン(Lyor Cohen)らが立ち上げ、ヤング・サグやエリック・ベリンジャーらを抱える300 Entertainmentとディストリビューション契約を結び、1月に初の商業リリースとなった『Yesterday’s Tomorrow』を発表。ダイム・ア・ダズンらが離脱し、6人組となったフォニー・ピープルは、よりソウル色を強め、米iTunesのR&Bチャートで6位となるなどR&Bバンドとして支持を得ていく。高く評価された『Yesterday’s Tomorrow』からは、“Why iii Love the Moon.”が人気ゲーム『NBA Live 16』に使用されたほか、“End of the niGht.”はタイラー・ザ・クリエイターがお気に入りの楽曲として挙げた。また同年5月には、300 Entertainmentの仲間であるフェティ・ワップ(Fetty Wap)のTV出演でバック・バンドを務めたほか、翌年にはカリ・ウチース(Kali Uchis)のライブでバック・バンドを担当。さらにタイラー・ザ・クリエイター主催の音楽フェスティバル〈Camp Flog Gnaw Carnival〉に出演するなど活躍の幅を広げていく。

シェリフ・PJもグループを離れ、エルビー・スリー、エイジャ・グラント、マフユー、イライジャ・ローク、バリ・ベースの5人体制となったフォニー・ピープルだが、2016年12月から2017年3月にかけてニューヨークのブルーノートにてレジデント公演を開催し、これを成功させた。また2016年の年末には、米Rolling Stone誌による「あなたが聴いていない15の素晴らしいアルバム」で『Yesterday’s Tomorrow』が取り上げられ、「ブルックリンのフューチャーR&Bクインテット」による「現代ポップの作曲、生演奏ヒップホップのドライブ感、クラシックなR&B歌唱、スティーリー・ダン風のインスト。これらの成熟したフュージョン」と紹介された。

そして2017年には、300 Entertainmentとのレコード契約を獲得したほか、カリ・ウチースのツアーの前座およびバック・バンドを務める。2018年始めには、ザ・ルーツ(The Roots)がグラミー賞に合わせて開催した〈Roots Jam〉に出演。3月から5月にかけては再びニューヨークのブルーノートにてレジデント公演を成功させ、10月、300 Entertainmentよりニュー・アルバム『mō’zā-ik.』を発表した。ロバート・グラスパー・エクスぺリメントのグラミー受賞作『Black Radio』を始め、『Black Radio 2』、『ArtsScience』、R+R=NOW『Collagically Speaking』などを手がける名エンジニア、Qミリオン(Qmillion)がミックスを担当している。

2018年11月には、プッシャー・T (Pusha T)の北米ツアーに前座として10公演以上同行。さらに米Rolling Stone誌が毎年ポップ・カルチャーにおける注目すべき人物を取り上げる特集「Hot List」にて、「ホット・ソウル・パワー」として特集の一番目に紹介されるなど、さらなる活躍が期待される。