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リース

タリブ・クウェリ(Talib Kweli)とのコラボレーションで知られ、共にアイドル・ウォーシップ(Idle Warship)というグループでも活動したことで知られ、ジャジーなバンド・サウンドをベースに、ソウル、ヒップホップや、トリップホップ、ロック、インディ・ポップなどを織り交ぜたオルタナティヴなスタイルで、2000年初頭のネオ・ソウル期に登場したフィラデルフィア出身の女性シンガー・ソングライター。フルネームはシャリース・バラード(Shareese Ballard)。

フィラデルフィア出身だが、ニューヨークを拠点に活動を始める。90年代には、制作したデモが好評を得、Epic Recordsとの契約話があり、実はこの時、グルーヴ・セオリー(Groove Theory)の新ボーカル候補になっていたという。しかし、アメル・ラリューの代わりはいないという考えと、自分の作品を出したいという想いから断ったのだとか。この時制作した音源のうち、“Sittin Back”や“The Hustler”など6~7曲は、後に発表される彼女のデビュー・アルバム『How I Do』に収録された。

タリブ・クウェリらが所属していたBlacksmithとマネジメント契約を結び、GZA『Beneath The Surface』(1999年)の表題曲や、タリブ・クウェリとハイ・テック(Hi-Tek)によるリフレクション・エターナル(Reflection Eternal)のデビュー作『Train Of Thought』(2000年)といったニューヨーク・ヒップホップ作品にゲスト参加。その後、2001年にMCA Recordsからデビュー・アルバム『How I Do』を発表する。“Golden Boys”などのシングルと共に英国的な洒脱なサウンドで高い評価を受けるものの、商業的には成功せず、ナズ(Nas)が参加した“Ice King (Remix)”などの展開もブレイクへとつながらなかった。しかし、ダンス・リミックス路線へとシフトしたのが功を奏し、翌2002年2月に“Golden Boys”のリミックスが米ダンス・チャートで最高30位となったのに続き、“They-Say Vision”のダンス・リミックスは同5月に米ダンス・チャートで1位を獲得。『How I Do』も同じく2002年5月に、初めて全米アルバム総合チャートにチャートインを果たした。

なお、『How I Do』はサンティ・ホワイト(Santi White)、後のサンティゴールド(Santigold)がアルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーを担当しており、ソングライティングや共同プロデュースを務めていたことでサンティゴールドのデビュー時に再注目された。また、『How I Do』のメイン・プロデューサーであるマーティン・マッキニー(Martin McKinney)は、2010年代になってザ・ウィークエンドの『Trilogy』シリーズや『Starboy』のプロデューサー、ドク・マッキニー(Doc McKinney)として名を上げた。

ダンス・ヒットを生んだこの2002年には、映画『メイド・イン・マンハッタン』のサウンドトラックにジェファーソン・スターシップ“Miracles”のカバーを提供したり、豪華アーティストが集結したフェラ・クティ・トリビュート集『Red Hot + Riot』にてトニー・アレンらと共に“No Agreement”のカバーに参加した。

2003年には所属していたMCA RecordsがGeffen Recordsに吸収される形で閉鎖。Geffen所属となったものの、2006年頃に予定していたセカンド・アルバム『(Black Girls Rock!)』をリリースする意向がGeffen側にまったく無いことを知り、自ら契約解除を申し出、インディペンデントとなった。だが、タリブ・クウェリのお気に入りシンガーとしてリースは活躍を続け、2002年のソロ・デビュー・アルバム『Quality』を始め、『The Beautiful Struggle』(2004年)、『Eardrum』(2007年)、『Gutter Rainbow』(2011年)といったソロ作から、タリブ・クウェリとマッドリブの『Liberation』(2006年)、リフレクション・エターナルの『Revolutions per Minute』(2010年)など、常にタリブ・クウェリ作品で名前のある盟友に。

また、2008年頃からは、タリブ・クウェリ、リースに、カナダ出身の女性シンガー/ラッパーであるグラフ・ノベル(Graph Nobel)を加えた3人でアイドル・ウォーシップというグループを本格始動。2009年にはミックステープ『Party Robot』を無料で配信した。ロックやエレクトロ・ポップなどの要素も取り入れた音楽性で話題になったアイドル・ウォーシップは、その後グラフ・ノベルが脱退してタリブとリースのデュオとなり、2011年にデビュー・アルバム『Habits Of The Heart』をリリースしている。この際、一般発売に先駆けてアメリカに進出したばかりだったSpotifyで3週間前先行で独占リリースしており、当時はそれほど大きな話題とはならなかったが、今となっては彼らに先見の明があったと言える。またアイドル・ウォーシップは、2012年にはRZA監督・主演映画『アイアン・フィスト』のサウンドトラックに参加し、フランク・デュークス(Frank Dukes)とバッドバッドノットグッド(BADBADNOTGOOD)のプロデュースによる新曲“Get Your Way (Sex Is A Weapon)”が収録された。

その後も、タリブ・クウェリの2014年作『Gravitas』に参加したほか、2015年にはボーカルとして参加したタリブのコンサートのライブ音源『P.O.C. Live!』も発表されるなど、タリブ・クウェリのお気に入りシンガーとして活動を継続。またM.I.A.の『Matangi』(2013年)や、クリスウォントゥー(Kriswontwo)の『Back To One』(2017年)などにも参加している。

一方ソロ・アーティストとしても、一度はお蔵入りしていた『(Black Girls Rock!)』を2009年11月に無料公開したほか、2010年頃からドク・マッキニーとふたたび組んでソロ新作『RESET』の制作に着手。『RESET』がなかなかリリースされない中、2013年にはタリブ・クウェリのレーベル Javotti MediaからEP『ReFried Mac』を発表。敬愛するフリートウッド・マックに捧げたカバー集となっている。

2016年になってリースは、クラウド・ファンディングのIndiegogoで『RESET』のプロジェクトを立ち上げ、目標には達成したものの、発表には至っていない。その後、2018年6月になって、リースがタリブ・クウェリを責めるツイートをしたことから、タリブ・クウェリとの対立が発覚。2016年にタリブ・クウェリとJavotti Mediaがリースを契約違反で訴えていたほか、2013年にJavotti Mediaから解雇したと主張するなど、トラブルになっていたことが分かった。