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Gang Starr

Gang Starr

ギャング・スター

テキサス出身のDJプレミア(DJ Premier)とボストン出身のMCグールー(Guru)によるデュオ。一聴して「プレミアとグールーだ」とわかるビートの打ち込み、スクラッチ、声の質感とライミングとフロウ、すなわち彼らのスタイルそのものが現在のヒップホップの礎の一つとなっていると言って過言ではない。

80年代中盤、音楽で身を立てる為にボストンからNYに拠点を移し、デイモ・D・スキー(Damo D-Ski)とDJワナ・ビー・ダウン(DJ Wanna Be Down)というメンバーと共に既にギャング・スターを結成していたグールーが、その所属のレーベルWildpitchの事務所でテキサスから送られてきたインナー・シティー・ポッセ(Inner City Posse)というグループのデモテープを聴いたところから、プレミアとの出会いが始まる。すでに”The Lesson”/”Bust a Move”と言うシングルをDJマーク・ザ・45キング(DJ Mark the 45 King / 45 King)のプロデュースでリリースしていたものの、固定で活動できるパートナーを探していたグールーは、早速ワックスマスター・C(Waxmaster C)と名乗るそのデモテープのグループのDJにコンタクトを取り、その後すぐにインナー・シティー・ポッセが解散したプレミアとグループを結成した。

デビューアルバム”No More Mr. Nice Guy”(’89)で既に、そのビデオが後に映画監督スパイク・リーからのサントラ参加オファーのきっかけとなった”Words I Manifest”や”Positivity”、”DJ Premier in Deep Concentration”等々、今やクラシックとされる秀逸な曲たちが顔を並べていた。その後先述ののサントラ”Mo’ Better Blues”(’90)に提供した”Jazz Thing”でシーンやポップチャートにも衝撃を与える事になり、プレミアによるジャズやソウルのサンプリングソースのセンスがシーンの中で大注目を浴びる。そうした流れを受けてリリースされたセカンドアルバム”Step in the Arena”(’91)は、タイトル曲”Step in the Arena”や”Lovesick”、”Just to Get a Rep”、”Check the Technique”や”Who’s Gonna Take the Weight?”などのヒップホップクラシックを多数収録。翌年にリリースされ、”Take it Personal”や”2 Deep”、”B.Y.S.”などを収録したサードアルバム”Daily Operation”(’92)と共にギャングスターのクラシックアルバムとして今もなお高い評価を受けている。

そしてギャングスターのトップアーティストとしての立ち位置を絶対的なものにしたのは、2年後にリリースされた傑作アルバム”Hard to Earn”(’94)という金字塔だ。サンプリングの妙技と絶妙なソースのチョイスが光る”Mass Appeal”や、ナイス&スムース(Nice & Smooth)の2人をフィーチャーし、前作からのシングル”Take it Personal”のカップリングになっていた(のちにシングルとしてリリースされ直した)”Dwyck”、ボブ・ジェームス(Bob James)ネタの使い方が素晴らしい”Suckas Need Bodyguards”、そのトーンスクラッチを世のDJ達がこぞって模倣した”Code of the Streets”等、クラブでもラジオでもミックステープでも大ヒットした名曲が収録されていた。

プレミアとグールーがそれぞれ個人として多数の作品でプロデュース、ゲスト参加等をしている間に4年の歳月が経ち、待ちわびたリスナーに遂にリリースされた待望の5枚目のアルバム”Moment of Truth”(’98)は、”Flash it to the Beat”をフリップしてビートに使用した大ヒット先行シングル”You Know My Steez”やK-Ci & JoJoをフィーチャーした”Royality”、後にサウンドトラック”Caught Up”(’99)にも収録された”Work”等がいずれもクラブやミックステープを中心にヒット。このアルバム以前から独特のサンプル加工を施すようになったプレミアビートの色が顕著になったことが特に話題を呼んだのは記憶に新しい。

その後もビッグ・L(Big L)追悼チューンとして今もプレイされ続けている”Full Clip”を新録として収録したベスト盤”Full Clip: A Decade of Gang Starr”(’99)のリリースを経て、所属レーベルをNoo TribeからVirginに移してからの6枚目のオリジナルフルアルバム”The Ownerz”(’03)をリリース。「本物のヒップホップをあるべき場所に取り戻す為」にリリースされたこのアルバムからは”Skillz”や”Right Where You Stand”、”The Ownerz”等のヒットを生み、ジャダキス(Jadakiss)らのゲスト陣も光るコアなアルバムである。

ここまでに二人は、それぞれのソロフィールドを確立しており、プレミアは最近ではオル・ダーティー・バスタード(Ol’ Dirty Bastard)の遺作やピッチ・ブラック(Pitch Black)他のプロデュースを担当していたり、ソロアルバムのリリースの予定もあるという。グールーは自身のシリーズプロジェクト”Jazzmatazz”の4作目や、フランスのヴェテランラッパー、MCソラー(MC Solaar)とレーベル”7 Grand”を設立、そこから自身のアルバムをリリースする予定。ギャング・スター・ファウンデーションと呼ばれていたギャング・スター周辺のアーティスト達も、ジェルー(Jeru the Damaja)やアフーラ(Afu-ra)等を筆頭にそれぞれインディペンデントで活動中である。