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B. Slade

B・スレイド

2010年まではトーネイ(Tonex)という名前でゴスペル・アーティストとして活躍していたサンディエゴ出身のシンガー/プロデューサー。本名はアンソニー・ウィリアムズ二世(Anthony Williams II)。よく比較されるプリンス(Prince)同様に多作家としても知られる。

90年代から自主リリースの形で数々の作品を発表した中でも、1997年に自主リリースの形で発表した『Pronounced Toe-Nay』が静かな話題となる。T・ボーイ(T. Boy)という変名でプロデュースも自ら行ったこの作品は、ゴスペル歌手ながら、プリンスなどを彷彿とさせるファンクネス、ティンバランド(Timbaland)などを彷彿とさせる同時代的なヒップホップとファンクを組み合わせたサウンド・プロダクションから、ネオ・ソウルなどを思わせるメロウなテイストなど溢れんばかりの才能を見せつけて異彩を放ち、Jive系列のメジャー・ゴスペル・レーベル、Verity Recordsとの契約を獲得。『Pronounced Toe-Nay』は2000年にVerityから再リリースされ、脚光を集めるようになった。2002年には2作目となる『O2』をリリース。2003年には、「ゴスペル界のグラミー」と言われるStellar Awardsで7部門でノミネートを受け、「Rap/Hip Hop Gospel CD of the Year」を授賞。コンテンポラリー・ゴスペルの気鋭の存在として、その存在感を見せつけた。2004年に発表した3作目『Out The Box』は全米ゴスペル・チャートで初登場1位だったのに加えてR&B部門チャートにもランクイン、またグラミー賞ゴスペル部門のノミネートを受けるなど活躍の幅を広げ、Stellar Awardsではノミネートを受けた全6部門を授賞。アーティスト・オブ・ザ・イヤーや、ソング・オブ・ザ・イヤー(“Make Me Over”)も授賞するなど、ゴスペル界のスターとなった。

しかし、グラムロックを意識した強烈なファッションや、ゴスペルであるにも拘わらず歌詞にダーティワードが含まれていること、ゴスペルの枠を超えた音楽性など、彼の個性が度々クリスチャン・コミュニティの間で議論の的に。また、2004年に父親が他界、2005年には5年間連れ添った歌手の妻イヴェット(Yvette)との離婚に続いて、Verityから契約違反で訴訟を起こされるなど苦難が続き、ゴスペル界からの引退も示唆。2007年には和解し、Zomba Label Groupとの提携の形で契約がまとまるも、両者の姿勢はかみ合うことなく、トーネイが自ら曲をリークするなど対立が深まり、決別することになる。

その後、表記をTon3xと変え、Battery Recordsと契約して2009年に新作『Unspoken』を発売。ほとんどプロモーションされなかったにも拘わらず、グラミー賞で最優秀アーバン/オルタナティブ・パフォーマンス部門にノミネートを受けた。これは彼にとって初めてのゴスペル部門ではないノミネートとなった。一方で、2007年に元妻イヴェットが“告発”したほか、ゴシップ・メディアによって同性愛者であると報じられ、当時は否定していたものの、2009年にはTV番組で認めた。しかしこれにより、同性愛に否定的なクリスチャン・コミュニティからさらなる批判を受けることになる。そして同年12月に母親が亡くなった後、2010年に「最後のミックステープ」として『Parking Lot』をデジタル・リリース、トーネイ名義の最後のライブ・パフォーマンスを行い、トーネイの引退を宣言した。

しかし、その2010年に、B・スレイドという名義となってカムバック。グラムロック期を描いた映画『ベルベット・ゴールドマイン』に登場する伝説のロック歌手、ブライアン・スレイドからインスパイアされたこの名前で音楽活動を再開させた。ミックステープなどを含め多数のリリースを行い、2011年にはフル・アルバム『Diesel』を発売している。